三条人権擁護委員協議会(神保光男会長・人権擁護委員36人)は8月29日、燕こども園(燕市白山町1・西村香園長)で出前講座を行った。9月末で退任するいずれも旧燕市職員OGで燕市に住む森井優子さん(72)と星野昭子さん(58)にとってはこれが花道となった。
燕地区の事業で、出前講座は園児から人権について考えてもらおうと年2回ほど行っている。この日は燕地区以外の人権擁護委員も含め14人が同協議会の赤いはっぴを着て参加した。星野さんは司会を担当し、星野さんは同協議会で手作りした大型紙芝居「少年と子たぬき」を披露。ほかに人権イメージキャラクター「人KENあみちゃん」も登場した。
森井さんは4期12年間、務めた。現役当時、人権擁護委員の事務局に就いたことがある。燕市で女性第1号の人権擁護委員だった故鈴木スイさんに感銘を受けた。「(鈴木さんは)なんとすばらしい人権擁護委員かと。その活躍をわきで見せてもらうことができて最高に幸せだった」と森井さん。退職後、当時の高橋甚一市長の勧めもあって人権擁護委員を受けた。
庁内放送や電話交換手の経験があり、声を生かして紙芝居などを担当。「市役所に対して恩返しができればいいかなと思って」と森井さんは言い、「いろんな出会いがあり、老人ホームなどでこっちが優しさや元気もらうこともあった。楽しい時間だった」と12年間を振り返る。
星野さんは5期15年間、務めた。元保育士で幼稚園教諭の経験もある。同協議会の副会長や新潟県人権擁護委員協議会連合会の理事に就いたこともある。そうした功績で昨年暮れには法務大臣表彰を受けた。また、市の教育委員を務めたこともある。
星野さんは「貴重な体験をさせていただき、人権啓発を組織としてみんなで頑張ってこれて幸せだった」と15年間を振り返る。この日も「すごく楽しかった。子どもたちはともていい反応だった。子どもたちから話を聞いてもらえないことにはどうしようもないから」と保育士の顔になって園児の笑顔を喜んだ。