燕市社会福祉協議会は10日、燕市民交流センターの交流ホールで初めて「うたごえ喫茶」を開き、6、70歳代の女性を中心に96人が参加して大盛況だった。
講師は県内各地で歌声喫茶の講師を務めている新潟市中央区、永田宏行さん(70)。参加者は永田さんが用意した歌詞カードから歌いたい曲をリクエストし、童謡の「砂山」や「ふるさと」、朝ドラの主題歌だった「365日の紙飛行機」、懐メロの「惜別のうた」などを歌い、最後は「仰げば尊し」で締めくくった。
永田さんは歌声喫茶を始めるようになってから覚えたというキーボードで伴奏。安定した歌いやすい演奏で、自身はハーモニーを歌って気持ち良く歌えるようにサポートした。たっぷり2時間、歌ったが、参加者はそれでも歌い足りなさそうなくらい楽しんだ。
東京で生まれ育ち、十数年前に燕市に移り住んだ田中田鶴子さん(77)は、「昔、東京で歌声喫茶に行って歌ったことがある」と若いころを思いだして参加した。昭和29年(1954)に新宿に誕生、当時の歌声喫茶ブームを牽引した「ともしび」に行ったことがある。「昔を思い出して引き込まれ、『仰げば尊し』は涙が出そうになった」と郷愁を味わい、「次回があれば参加したい」と喜んだ。
燕市が旧吉田庁舎を改修して昨年5月にオープンした燕市民交流センターの1階に設置された交流ホールの活用を図ろうと、燕市社協は6月下旬から毎週、同センターでイベントを行っている。
歌声喫茶は今回が初めて。燕市社協は昨年10、11月にボランティア・市民活動センター運営サポーター養成講座を開き、受講者のうち12人が実際に運営サポーターに登録した。歌声喫茶はその運営サポーターたちが発案、企画し、講師の永田さんところへも出向いて講師を依頼し、実現した。
参加費は無料、定員50人で参加者を募集したが、その2倍もの参加があり、大好評。歌声喫茶を継続したい考えだ。