寺子屋つばさ実行委員会(高橋克典会長)は17、18日の1泊2日で燕市国上・本覚院などを会場に第10回食育学校「はらぺこ塾」を開き、燕三条の小学生26人が1食にあめ玉1個など、わずかな食べ物で共同生活をする日常にない体験を通じて食事のありがたさなどを学んだ。
三条市と燕市の小学4年生から6年生の計26人が参加し、うち5人が昨年や一昨年に参加したリピーター。スタッフは、実行委員会メンバーなどの社会人延べ20人と専門学校生や大学生など24人で、子どもたちと同じメニューで1泊2日をともにした。
初日17日は、午前9時半に国上体育センターで開会式を行ってスタート。親子食育講座、レクリエーション、昼食。翌17日に実施したニワトリのと殺体験のニワトリについてなどを有限会社燕ファームの清水眞佐夫代表に聞いた。
その後、30分ほど歩いて本覚院に移動し、渋谷隆阿住職のあいさつ、太鼓教室、近現代史教育授業、写仏、夕食、肝試し、保護者からの手紙を読む時間もあり、午後9時半に就寝。
翌18日は5時半に起床、朝食、座禅、掃除。国上体育センターに再び移動し、昼食準備と調理。午前9時半から正午まで、ニワトリのと殺体験をし、昼食はそのトリを使った雑炊やローストを迎えに来た保護者とともに味わい、閉会した。
この1泊2日の食事は、水は自由に飲んでもいいが、最初の昼食はバナナ1本を12等分にした1人1センチ弱。夕飯は飴玉1個、翌18日の朝食は16分の1にカットしたリンゴだった。水は自由に飲める。
17日の夕飯は、午後7時ころ。「今日の夕飯は、飴です」と紹介され、それも1個だけとわかると、子どもたちからは「え〜!」と驚きの声があがった。白熱したジャンケンで赤や黄や紫色のあめ玉を選び、「いただきます」と手を合わせると、そっと口に入れた。
昼のバナナから数時間ぶりになめたあめ玉の夕飯について、4年生の女の子は、「ふつうにおいしかった」、空腹を感じながらも「まだ大丈夫」と余裕の笑顔。初めて参加した4年生の男の子は、「腹が減り過ぎて、おなかが痛い」、「これだけしか食べないのは初めて」と話したが、昼に知り合ったばかりの参加者に聞いたとして「肝試しが一番楽しみ」と元気をふりしぼった。
昨年に続いて参加した5年生の男の子は、「いつもより甘かった」といつもはかみ砕いてしまう飴をゆっくり食べた。また、「(空腹やと殺体験は)去年も大変だったけど、肝試しが楽しくて、また参加しました」と話し、子どもたちや学生との共同生活や非日常の体験を通じて、当たり前に食べている食べ物や、ご飯を用意してくれる親への感謝の気持ちなどを感じていた。