燕三条地域のものづくりの一端をワークショップで体感できる「燕三条のものづくり ぐるっと体験フェスティバル」が19日、東京都・IID 世田谷ものづくり学校で開かれ、首都圏の人たちから6つのワークショップに参加してもらった。
三条シティセールス事業実行委員会とIID 世田谷ものづくり学校が主催し、ワークショップは6つ。かんなを使った八角箸作り、三条仏壇蒔絵体験、バングル・ブレスレット作り、鎚起銅器の小皿・ぐい呑み作り、笹団子作り体験、ラテアート・ハンドドリップ体験を行った。
その場で調理した三条カレーラーメンの販売、三条市の包丁やキッチンツール、車麩や笹団子、こくわの加工食品など三条市の特産品販売、伝統工芸品に指定の鍛冶製品や三条市自慢のものづくり製品を展示するブースも設置した。
ワークショップの定員はそれぞれ各回数人ていどで、どの回もほぼ定員に達した。参加者は新潟出身だったり、親の実家が新潟だったりと、新潟にゆかりのある人が多かった。
とはいえ新潟の文化や技術は新鮮で、熱中して取り組んだ。笹団子作りの教室は新潟でもあるが、決定的な新潟県民との違いは食べ方を知らないこと。ひもをほどいてから笹の葉を1枚ずつはがしていく手順も指導した。
新潟市出身で神奈川県の梶が谷に住む岩腰京子さん(43)は、長男の小学校4年虎太郎君とふたりで参加した。学生時代に上京してからずっと新潟を離れて暮らしている。
世田谷ものづくり学校のホームページでこのイベントの情報を見つけ、鎚起銅器、八角箸、笹団子のワークショップに主に虎太郎君が参加。「楽しくて来年もやるなら今度は子どもと一緒に参加したい」と岩腰さん。
三条市とも縁がある。ことし6月で廃業した三条市を代表する老舗パン店「ファランドール早通屋」の先代の妻は岩腰さんのおばにあたる。昨年はスノーピーク本社のキャンプフィールドで2泊した。「最近“燕三条”を良く聞く。一緒にキャンプをしているキャンプ雑誌の編集をやっている人もそう言っていた。広め方がほかの町とは違う」と“燕三条”の存在感の高まりを実感していた。
三条カレーラーメンは昨年いっぱいで閉店した「味方屋(あじかたや)」の店主だった佐藤博保さん(77)が担当。三条でも食べられなくなった味を東京で味うことができた。
佐藤さんがラーメンを調理したのは閉店して以来初めて。「退屈、退屈。夜は2、3日続けて海釣りに行く。行ったってろくなことがねーんだけど。遊びも飽きてきたし」と久しぶりに腕をふるって楽しそうだった。
この体験フェスティバルは、燕三条を首都圏にアピールしようと2013年から行っており、今回で6回目。IID 世田谷ものづくり学校と昨年4月にオープンした三条ものづくりはいずれも株式会社ものづくり学校が運営している。