三条エコノミークラブ(久保克幸会長)は27日午後7時から、ジオワールドビップで55周年記念公開例会を開き、会場を埋めた約830人が株式会社植松電機代表取締役の植松努氏(50)を講師に「夢が叶う街〜思うは招く〜」のテーマで聴いた。
植松氏は、同社のほか株式会社カムイスペースワークス代表取締役、NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター理事も務める。1966年北海道芦別生まれ。子どものころから紙飛行機が好きで宇宙にあこがれ、大学で流体力学を学び、名古屋で航空機設計を手がける会社に入社。1994年に北海道へ戻って父が経営する植松電機に入社した。
2004年に打ち上げコストが安いカムイ式ロケットの研究を進めていた北海道大学大学院の永田教授に出会い、ロケット研究宇宙事業への挑戦を開始。09年宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で打ち上げ実験を行った。世界的講演会「TED」の日本版に出演して大きな注目を集めた。
胸に社名の入った作業服で登場した植松氏は、優しい表情で大勢の来場に感謝し、「今からの話は、夢の話だったり、仕事の話だったりですが、本当の目的は、ほくの仲間を探すことです」と、人の可能性を奪う「どうせ無理」という言葉を「だったらこうしてみたら?」に変え、人の可能性が奪われない社会を目指すという考え方を、400枚を超えるというスライドを映し、淡々と話した。
最初に「思うは招く」と「夢があれば何でもできる」の2つの言葉を紹介した。「思うは招く」は中学生のときに母が教えてくれた言葉は、思ったらそうなるという意味。この言葉のおかげで植松氏はいろんなことができるようになった。
「夢があれば何でもできる」は、素敵な夢をたくさんもってほしいし、夢はひとつではなく、たくさんあった方がいい、本当の夢とは何かを考えながら聞いてほしいと求めて始めた。
「不安の向こうに喜びがある」、「新しいことは誰も知らないから教えてくれない」、「自分で考えて、自分で試す」、「失敗に罰を与えてはいけない」、「自分の夢をどんどんしゃべろう」、「今の日本人に必要なのはちっちゃな自信」、「夢と仕事は分けて考えるべき」など、体験をまじえて仕事や教育、受験、児童虐待、いじめ問題などのヒントや思いが続いた。
次々と湧き出るような植松氏の話に参加者はは引き込まれ、会社や家庭、学校など、聞いている人それぞれの立場に対する盛りだくさんのヒントに、何度もうなずいたり、最後までメモを取っている人もいた。