燕市内で発生した水難事故を迅速に110番通報し、水難事故者の早期救助に貢献した燕市吉田西太田、無職新妻明さん(83)に29日、燕署の斉藤正栄署長から感謝状を贈呈した。
14日午後5時半ころ、燕市溝古新地内の西川で近くに住む80歳の女性が畑作業で水くみに行ったときに、足を滑らせて川に転落した。胸まで水につかり、流されそうになって川縁の草につかまって助けを求めていた。
対岸でそれを見つけた女性が救助を求め、その声を対岸近くで畑作業をしていた新妻さんが聞きつけ、携帯電話で110番通報するという連携プレーで、駆けつけた燕署員がふたりがかりで転落していた女性を引き上げて救助し、女性にけがはなかった。
新妻さんは川に落ちた女性の名前や家は知らないが、顔見知り。女性はいつも夕方4時ころから夜まで畑作業をしていたことから、転落や交通事故を心配して暗くなってから畑仕事をしないように勧めたこともある。
新妻さんの通報が午後5時32分で燕署に連絡が入ったのが同34分、そして署員の現場到着は40分。通報から10分とかからずに署員が到着し、新妻さんは「15分や20分はかかると思ったから、初動が早くて驚いた」。
署員が到着するまでの間、女性に「今、来るからしっかり捕まってろ」などと声をかけて励ました。翌日、女性は同居する看護師の孫と2人で礼に来た。新妻さんは「当たり前のことをしただけなのに」と感謝状に恐縮した。
昨年、斉藤署長が同署に赴任してからも西川に転落した人が亡くなって下流の西蒲署管内で発見されたケースがある。斉藤署長は「連携がなければ力尽きて亡くなってた可能性が非常に高い」と新妻さんの功績に感謝し、「あぶないところにはひとりで行かないようにしてほしい」と求めた。
ただ、この日になって新妻さんと連携して救助した第一発見者の女性が存在したことが初めてわかり、その女性にもできるだけ早く感謝状を贈ることにした。