6日から9日まで開かれる「燕三条 工場の祭典」の拠点となる三条ものづくり学校で同じ期間、開かれる大日本市博覧会・第四回「新潟博覧会」を主催する株式会社中川政七商店(中川淳社長・奈良県奈良市)が編集した『〔世界一の金属の町〕 燕三条の刃物と金物 暮らしの道具135選』(平凡社刊・1,600円)が7日、発刊する。
A5判並製 、128 ページのオールカラー。上質な刃物や金物の産地として近年、注目を集める燕三条地域発の魅力的な生活道具135種を現地取材による文章と美しいビジュアルで紹介する。
中川政七商店の直営店では、「庖丁工房タダフサ」のコンサルティングから生まれた大ヒット商品のパン切りなど基本の包丁シリーズをはじめ、工房アイザワの調理器具、サミットの鉄鍋ミニなどいくつかの燕三条の刃物、金物を扱っている。
同書ではキッチンアイテムから、爪切り・爪ヤスリなど身だしなみ用品、アウトドア用品など身近なものから、鉈(なた)や鍬(くわ)など専門性の高いものまで幅広く取り上げ、刃物・金物の生活道具図鑑として気軽に読める。素材や製法のこだわり、職人の技などを知ることで、今まで知らずに使っていた道具やこれから使う道具も、また違った見え方をするのではと言う。
工場の町ならではのラーメンや居酒屋などのガテン系食文化やおいしい店、金属製品を買える店などの地元情報も掲載しているので、工場の祭典では同書を入手し、本を片手に工場めぐりや買い物をすればよりいっそう楽しく回れそうだ。
燕三条地域は工場の祭典にあわせて全国より1日早く6日に同書を発売し、三条ものづくり学校や燕三条地場産業振興センター、燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」で購入できる。
中川政七商店は1716年創業から300周年を迎えた奈良の老舗。日本、歴史、品質、ブランドを兼ね備えた工芸メーカーによる展示会「大日本市」を年3回、開いている。創業300周年のことしは全国の産地と手を組んで、「日本の工芸を元気にする!」大日本市博覧会プロジェクトに取り組み、1月の東京を皮切りに全国5地域をめぐる博覧会を開き、その土地の工芸品の展示やトークイベント、ワークショップを展開している。
4会場目となる新潟博覧会は、三条ものづくり学校が会場。十三代社長の中川淳さんは、以前から三条市で人材育成やブランディングに関連した講師などを務めており、燕三条とは縁が深い。
新潟博覧会のなかで「中川政七商店と新潟のものづくり展」を開き、「庖丁工房タダフサ」、ポンチョブランド「mino」など、これまでに中川政七商店のコンサルティングやコラボレーションで生まれた地元メーカーの商品が勢ぞろい。同書の発刊を記念して同社のバイヤー細萱久美さんがセレクトした燕三条のアイテムの展示販売も行われる。