ものづくりのまちとして全国から世界へと高い評価を集める燕三条地域のものづくりの現場をいっせいに一般開放する「燕三条 工場の祭典」が6日から9日まで開かれる。4年目となることしは、これまでと同じ「工場」78拠点に加えていずれも“こうば”と読む農業の「耕場」13、燕三条の産品を購入できる「購場」5の計96拠点を開いて来場者を待つ。
昨年までは三条鍛冶道場を工場の祭典の拠点にしたが、ことしはよりスペースに余裕のある三条ものづくり学校が拠点。あわせて三条ものづくり学校では同じ4日間、株式会社中川政七商店(中川淳社長・奈良県奈良市)が大日本市博覧会・第四回「新潟博覧会」を開き、同社のコンサルティングやコラボレーションによって生まれた全国各地の商品が展示される。
初日6日は午前8時半から三条ものづくり学校でオープニングセレモニーを行って開幕。夜は午後6時から8時まで三条ものづくり学校でオフィシャルレセプションを行い、燕三条や県内で知られる飲食関連業者8店によるフードコートを開設。「つばさんフルーツ通り ふるふる」、「ハーベスト」、「宮路農場」、「ひうら農場」の4事業者が燕三条地域の農産物の試食を提供。音楽協力もある。
ことしの参加は「工場」78拠点に加えて農業の「耕場」13、燕三条の産品を購入できる「購場」5の計96拠点を開く。「工場」だけでも昨年の68拠点より10拠点増えたうえ、全体では1.4倍以上にも増えて大きくボリュームアップした。これまではピンクと白の斜めのストライプをシンボルにしてきたが、今回、参加者の着るTシャツは「工場」がピンクとグレー、「耕場」がピンクとブルー、「購場」がピンクとイエローのストライプと区別した。
「耕場」と「購場」を加えたことで、ことしは開放する場所を「KOUBA」と表記。オープンファクトリーに取り組む地域はほかにもあるが、農業も取り込むことでほかには地方ならではの特色もアピール。工場の見学ばかりしていると途中で緑を見たくなるという声もある。
開放して見せるだけでなく、ワークショップを行うところも年々、増えている。レセプションは7日に三条スパイス研究所と三条果樹専門家集団、8日にマルナオと武田金型製作所とテーエム、9日にテーエムと諏訪田製作所が行う。このうちマルナオは昨年に続いて「作業着ランウェイ」、テーエムはプロギタリストと地元で働く人たちの演奏によるライブ「奏でる工場」を企画した。
開幕前日の5日、三条ものづくり学校では正面玄関のディスプレーの準備などが行われた。真っ白な段ボール箱で築いた壁にはプロジェクションにより工場の祭典を象徴するピンクのストライプが出現する。
昨年は全国から1万9,312人が燕三条地域を訪れている。9月27日開かれた実行委員会の最後の運営会議で山田立実行委員長は「迷ったら僕らのコンセプトは“燕三条は、工場で、人を繋げる”なので、5つのステートメントを読み返して、そこから離れないことであれば何をやってもいい。日中は全力をお客様を迎えて夜は毎日、いろんな所で開かれるレセプションにも積極的に参加して昼も夜も4日間、ハードスケジュールだが頑張って乗り切りたい」と話した。
アドバイザーの株式会社メソッド代表取締役の山田遊さんは、ことしは事前告知で他産地との連携を図ったが、「皆さんがプレーヤーであって僕たちはそれをサポートする裏方」であり、「本当にものづくりの聖地、燕三条にするためにあとは他産地と比べても断トツに勝ちたいので今回、皆さんの協力をお願いする」と参加者の頑張りに期待した。