県内有数の果樹産地、三条市大島地区の栽培農家ら有志でつくる「三条果樹専門家集団」(土田広樹代表)は、6日から9日までの「燕三条 工場の祭典」に初参加し、7日にレセプション、8、9日は圃場体験を行う。
集団のメンバーは、土田広樹さん(40)をはじめ大島地区の4軒の栽培農家と三条産旬野菜を味わえるカフェレストラン「ベジテーブル」(三条市本町1)、フルーツの彫刻を手掛けるカービング作家の伊丹ひろこさん。全員が三条市に住む。
レセプションは7日の午後6時、7時、8時の3回に分けて行い、ナシを使った料理とワンドリンクが付いて会費700円。新潟市の野菜ソムリエ後藤真弓さんと管理栄養士を招き、トークセッションや参加者との交流、伊丹さんのフルーツカービング作品の展示を行う。
圃場体験は8、9の2日間とも午前9時からと午後3時からの2回行い、参加費は無料。会場は三条市代官島の岩福農園。ナシ園見学、ナシの収穫体験、ナシの選別の体験と見学のあと、伊丹さんによるフルーツカービングの実演を見学。ナシの栽培にどれだけの手間がかかるのか、果樹栽培の奥の深さなどを感じてもらう。
収穫したナシ「新高」は100グラム当たり60円で購入できる。また、ナシをまとめてはかりに載せ、1つ取るたびにその重さを計算して、何個詰めの箱に入れればいいかを音声で教えてくれるデジタル音声式重量選別機、平たく言えば“しゃべるはかり”も体験できる。栽培農家にとってはまったく珍しくないはかりだが、初体験の人なら結構、感心するはずだ。
三条果樹専門家集団が生まれたのは一昨年、土田さんと伊丹さん、ベジテーブルの白鳥賢さんの3人で洋ナシ「ル レクチエ」にフルーツカービングを施してシロップなどで煮込んだ「コンポート」を開発したのがきっかけ。大島地区の果樹をPRし、販売促進につなげられたらと大島地区の果樹栽培農家が加わった。農業の近代化を目指す。近代化とは栽培技術ではなく、複数の農家の連携による農業経営のシステムの近代化に取り組んでいる。
ことしから三条マルシェにも参加し、バイヤーとの交渉、ナシの木のオーナー制度、昨年は輸出の実績もあり、意欲的に取り組んでいる。昨年冬、東京で「ル レクチェ」について講演する機会があり、そこに来ていた工場の祭典の実行委員から工場の祭典の参加を勧められ、参加を決めた。
土田さんは工場の祭典に参加することによって「三条果樹専門家集団の取り組みをPRしたいし、他産業とのコラボレーションにつながっていけばうれしい」と話している。レセプションの問い合わせは「ベジテーブル」(0256-33-6549・本町1-3-17)、圃場体験の問い合わせは岩福農園(0256-32-7319・代官島1224)へ。