「燕三条 工場の祭典」に初参加している溶接の【96番】株式会社大倉製作所(大倉龍司社長・燕市大川津)は8、9の2日間、工場を公開するとともに一般の人はめったに体験できない溶接体験も行っている。
同社は食品、医療、介護、半導体関連のオーダー品を主に受注しており、大型のレーザー切断機やNCベンダーも導入している。
溶接体験は1人500円で参加できる。溶接といえば激しい音と火花をイメージする人が多いだろうが、体験するのはTig溶接(アルゴン溶接)。最初にパチッと小さな音がするくらいで、光りこそすれ火花は飛ばない。
溶接する材料はステンレス製の小物入れ。六角形の小皿を重ねたような形状で、側面はハロウィーンをテーマにコウモリや十字架、月などがレーザー切断機で型抜きされている。
体験は最後の縁の角を溶接する作業。溶接トーチに取り付けられたタングステン棒の先端と溶接したい材料を1ミリから5ミリほど離して溶接する作業は難しい。
そこで同社では、誰でも確実に溶接できるよう、材料と溶接トーチを固定するための治具も、工場の祭典のために自社で試行錯誤して作った。オーダー品を手掛ける同社にとってはお手の物だ。数分であっと言う間に溶接の完了だ。
最後に溶接した部分の焼き色を落とすための電解研磨を行う。通電させて電解溶液をつけた道具で溶接部分をこすると、まるで手品のように焼き色が消えるのは驚き。ほかにも鉄板を曲げるNCベンダーのペダルを踏んだり、指の模型を使ってNCベンダーの安全装置が働くようすも体験し、来場者は目を丸くして驚く。
小物入れの中に入れるLEDライトなど記念品もプレゼントしている。体験は午前10時からと午後2時からのそれぞれ1時間としているがあくまでも原則で、それ以外の時間でも対応できることが多い。詳しくは同社(電話:0256-98-3500、燕市大川津3430-321)へ問い合わせる。