日本の凧の会主催の年に1度の凧の全国大会が9日、県内で初めて三条市で開かれた。あいにく雨でほとんど凧を揚げることはできなかったが、全国から参加した約350人の凧愛好者が交流した。
「第38回心護杯2016年度秋季越後全国大会」と称して三条防災ステーションを会場に開かれた。三条防災ステーション周辺は9月16日に国から河川敷地占用許可準則に基づく都市・地域再生等利用区域「ミズベリング三条」に指定されたことから、全国大会とあわせてオープニングセレモニーが行われた。
三条凧合戦と白根大凧合戦、今町・中之島大凧合戦の3つの凧合戦は、「越後の凧合戦習俗」として昨年3月、新潟県指定無形民俗文化財に指定された。日本の凧の会の茂出木雅章会長はあいさつで、今回の全国大会を「三条大会」ではなく「越後大会」としてくれたことに感謝。五輪の中国、ロンドン、リオの各大会で子どもたちが凧を持って入場したことから、「日本の凧もぜひともやっていただいて議員の先生にはぜひともよろしく」と協力を求めた。
鏡開きを行い、乾杯して凧揚げ開始の段取りだったが、雨の本降りが続いた。晴れ間をついていくつか凧が揚がったていどで、午後2時からの予定だった閉会式を午前11時半に繰り上げて行い、その後は自由に凧揚げを楽しんでもらった。
“雨男”の国定勇人三条市長は平謝り。この日に向けて何カ月も前から準備を進めてきた関係者には一気に疲れが出る結果だったが、前日8日に行われた前夜祭で大いに盛り上がり、全国の凧愛好家はたっぷりと交流。それだけでも充実感はあり、遠方から参加した人のなかには翌日の雨予報に前夜祭を終わってすぐ帰路につく人もいた。
閉会式では日本之凧の会の審査で三条市長賞に埼玉県庄和大凧保存会、三条商工会議所会頭賞に大阪府の狭川一三さん、マルソー(株)賞に沖縄県の八重山凧愛好会、NCT賞に宮城県の遠藤茂樹さんを決めて表彰。次回開催地は静岡県富士市の旧富士川町。