1916年(大正5)10月16日の弥彦駅ー西吉田駅(今の吉田駅)間が開通してからぴったり100年になった16日、弥彦駅で弥彦線開通100周年セレモニーが行われ、地元関係者や鉄道ファンとともに大きな節目を祝った。
新発田発午前8時31分、弥彦駅着10時32分の臨時列車「吉田・弥彦間開通100周年記念号」の弥彦駅到着にあわせて駅前広場でセレモニーが行われた。
あいさつで弥彦観光協会会長の金子清郎弥彦神社権宮司はこれからもこうして弥彦線を愛し、弥彦村がますます栄えますように心から願っている」、東日本旅客鉄道株式会社執行役員の弭間俊則新潟支社長は「これからの交流人口拡大に向けての観光流動創造というものはいろいろなかたと連携して進めていく必要がある」。
小林豊彦弥彦村長はかつて弥彦駅前に新潟イタリア軒が西洋館と和風館のホテルをもち、弥彦線開通当初の弥彦駅の乗降客が年間33万6千人にのぼったことにふれ、「弥彦村はこれからもJRと協力して弥彦村の観光活性化の実現を目指して頑張りたい」と述べた。
駅舎前に下げたくす玉を割ったあと、臨時列車を出迎えた。燕三条駅長らはホームで横断幕を掲げ、記念のヘッドーマークを付けた国鉄時代からある古い115系の6両編成が到着。車両はほぼ満席で、車内で乗客に記念のステッカーも配布された。ホームで待つ鉄道ファンは「すげー。いつもは2両編成だよね」と降車する大勢の乗客に驚いていた。
列車の到着にあわせて駅までは弥彦山太鼓を演奏。弥彦線すべての駅の記念入場券のセットが販売され、乗客は列をつくって買い求めていた。これにあわせて弥彦駅から歩いて5分の「ヤホール」でもグルメイベントが行われた。記念の日にふさわしく絶好の秋晴れに恵まれ、駅も「ヤホール」もにぎわった。
ケンオー・ドットコムの鉄道コラム「鐵道双見」の執筆や燕三条まちあるきの人気コース「弥彦線の車窓から」のナビゲーターで知られる三条市の会社員藤井芳輔さん(33)は「百年という長い歴史の間、愛されてきたのが良く分かる人出と思う。それだけ多くの人を運んできた証し。百年たったが、次の百年までこの路線があり続けるようにしたい」と話していた。