加茂市山島新田地区で行われている信濃川の河道掘削工事は、ICTを活用した最先端のICT土工で行われており、ICT土工をわかりやすく説明しようと工事受注業社が共同設置したICT情報館が20日、オープンした。
ICT情報館は工事現場を一望できる信濃川対岸の加茂市鵜森地内の堤防下に設置された。プレハブ一部2階建て延べ床面積約60平方メートル。トイレも設置する。
1階はICT技術などを展示し、2階は「やましん水槽館」と展望室。ICT技術はパネル展示を中心に工事現場の3Dデータを表示するパソコンも設置。「やましん水槽館」には2つの水槽と1つの鉢を設置し、信濃川下流で生息する魚のヤマメ、ヒメダカ、ウグイなどを飼育。展望室としては対岸の工事のようすを見るために双眼鏡も備える。
1階の見学は事前に連絡が必要で、平日の午前9時から午後4時まで山島新田工事連絡会議(電話:0256-64-8903)と信濃川下流河川事務所(電話:025-266-7133)で受け付ける。2階は平日の午前9時から午後4時半まで開放している。
山島新田地区河道掘削工事は、7.29水害とも呼ばれる2011年7月の洪水で、加茂市、三条市で河川の水位が計画高水位を越えた区間も出る水害発生の恐れがある危険な状態となったため、はん濫の未然防止を目的に河道の土砂を掘削する工事が進んでいる。
ICT土工は、ICT(情報通信技術)を活用し、測量から設計・施工計画、施工・施工管理、検査まで一貫して 3次元データを活用する方法。具体的にはドローンで空中写真測量を行い、3Dデータ化してそれを基に工事を行う。これまで建設現場でそのつど行ってきた測量が必要なくなり、生産性の向上が図れる。
ICT情報館は工事受注者の福田組、新潟 藤田組、丸運建設、坂詰組、加賀田組が共同で設置した。ICT情報館の設置は北陸地方では初めて。20日は午後1時半からオープニングセレモニーが行われ、受注者や北陸地方整備局信濃川下流河川事務所、地域住民などが出席して中鵜森地区の知野健司区長による表札看板の設置、テープカット、ドローンの飛行も行った。