「横田切れ」120年を記念して11月27日まで燕市・大河津資料館で五千石遺跡展が開かれており、県内では初めて見つかった「横ずれ遺構」に関する資料も展示している。
大河津分水可動堰改築工事に伴って発掘調査された五千石遺跡の展示会。五千石遺跡は大河津分水路の左岸側にあり、河川敷の約2メートル下から見つかった。燕市と長岡市の境界にあり、地区を分けて燕市教育委員会と長岡市教育委員会で発掘調査を行ってからことしで5年になる。
約2500年前の縄文時代晩期から約1500年前の古墳時代後期にかけて営まれた集落で、縄文時代は住宅跡は見つからないものの、縄文人の精神世界にふれる出土品があり、弥生時代では北陸地方に特徴的な建物跡が見つかった。
出土品は古墳時代の祭祀(さいし)に使われた臼玉、土製管玉、勾玉(まがたま)、そろばん玉、棗玉(なつめだま)などを展示。古墳時代の前期の土師(はじ)器や縄文時代晩期の土器、古墳時代後期の鋤(すき)や鍬(くわ)、弓といった木製品も展示。須恵器の甕(かめ)を漆によって補修した跡も見つかり、自分たちで生産できなかった貴重な須恵器を当時tの人たちが大切に使用していたこともわかる。
注目は全国的にも珍しく県内では初めての「横ずれ遺構」が見つかったこと。横ずれ遺構は遺構の上部と下部が平面的に食い違う遺構で、五千石遺跡ではある面を境に上部が西側にずれている。
横ずれは地震によるものと考えられ、現地視察した新潟大学理学部の小林謙太氏は、長岡平野西縁断層帯の鳥越断層(脇野町断層)の活動との深い関係を推測している。
関連イベントして22日午後1時半から長岡市調査担当者、11月6日午後1時半から燕市調査担当者による五千石遺跡講演会が展示会場で開かれる。入館料は無料。