長岡市三島地域で22日夜、伐採したタケを使った灯籠(とうろう)で彩る「越後みしま 竹あかり街道」が開かれ、訪れた大勢の来場者は秋の夜長を光に魅せられて過ごした。
三島地域は、面積の約6割を森林が占める緑豊かな地域だが近年、林内へのタケの浸食による荒廃が進んでいる。里山の保全と水源を育てる必要に迫られ、スギの林を浸食したタケを伐採して里山の荒廃を防ごうと2007年に「三島ライトアップ実行委員会」が発足し、活動をスタートした。
10年から毎年、竹あかり街道を行い、1万人を超す来場者を集めた年もある。ことしも脇野町本町通りの町並み約800メートルに、地元の里山から切り出したタケで製作した約2万5千の灯籠をともした。
通りに面した浄福寺、長照寺、日出神社の3つの寺社では境内を灯籠で飾り、ライトアップした本堂や拝殿のなかでは、三島中学校吹奏楽部はじめクラシックや地元の篠笛、邦楽の愛好者による演奏、神楽、朗読劇、昔話などさまざまなパフォーマンスが行われた。
通り沿いの民地でも竹燈籠で飾った。実行委員会で協働する長岡造形大学が灯籠のデザインや準備から当日の運営まで深くかかわり、周辺の自然と一体化したインスタレーションのような作品もあり、あちこちからその美しさに感嘆の声が上がっていた。
好天に恵まれて祭のようにごった返すにぎわいに。飲食を提供する屋台村は行列のできる人気で、来場者は非日常的な空間でゆっくりと過ごしていた。