昭和50年から60年まで続いた伝説的ロックコンサート『ROCK in 三条』が31年ぶりに復活。23日、三条市中央公民館で「ROCK IN SANJO」が開かれ、いぶし銀となって当時の輝きを残すロッカーたちの演奏で大いに盛り上がった。
当時、出演していた9バンドが出演。出演者は40歳代から50歳代が中心で、上は64歳まで。今も続くバンドもあるが、ほとんどがこの日のために再結成した。10年、20年とまったく楽器をさわっていなかった人も多く、練習を重ねてこの日を迎えた。
「ダイナゴンパワー2016」のギタリスト、JAにいがた南蒲の経営管理委員会会長の吉田文彦さん、侍ラーメンの山崎剛さんも何十年ぶりのステージを迎えた。死蔵していたエレキギターを引っ張り出し、まずは楽器店に調整に出すところから始め、吉田さんは弦の張り替えも楽器店に依頼したほどで、ブランクの長さは推して知るべし。
本番ではさすがにぎこちなさは残ったが、最近のロックサウンドではめっきり聴かれなくなった乾いたウエストコースト風のフェイズサウンドを響かせ、同じ時代にロックを聴いて育った世代をしびれさせた。
当時ならステージでは譜面台はロックじゃないと否定されただろうが、さすがに年齢もあって暗譜は難しく譜面台が欠かせなかった。当時、チューニングは耳が頼りだったが、今は誰もが千円もあれば買えるチューニングメーターを利用するなど、変わったところもあれば、変わらないところもあった。
来場者は約330人を数えた。大半は出演者と同世代で、伝説のバンドにあこがれた世代や昔のバンドを見てみたいという若い世代の来場者も目立った。革ジャンやGジャンを着たり、長髪の男性、チェーンのアクセサリーを着けた人など、とっくに中年の世代なのにロックイコール不良と言われた時代の不良感も漂い、タイムスリップしたような感覚だった。
出演者の子どもは、初めて見る父の姿に照れくさそうに驚いたり、父のステージを見たいという念願がかなって家族で記念写真を撮ったり。それぞれの人生に記憶に残る1ページを刻んでいた。