つばさ税理士法(山田眞一代表税理士・燕市南7)が開設したM&Aの情報発信・交流拠点「つばさM&Aパートナーズ」で27日、燕三条地域では初めてという個人による企業の譲受「スタートアップ型M&A」の調印式が行われた。
経営者が課題とする、後継者がいない、事業引継が不安、事業拡大したいなどを社会的問題ととらえ、10月に「つばさM&Aパートナーズ」を開設。金融機関経験者を中心に所内税理士に加えて、提携専門家や金融機関と連携しながら、課題解決に向けたアドバイスやマッチング支援による事業引継をサポートする。
今回は、開設後初めての成約で、「事業者における後継者問題の広域的解決」と「事業の存続・発展による地域経済の下支え」を求めた譲渡者と、新規事業に取り組む譲受者が「個人のスタートアップにかかるコスト削減、安定経営のためのスピード化、プロセス改善などによる事業拡大」を図れることなどから成約に至った。
午前10時からの調印式は、事業を譲渡する燕三条地域の金属加工・金型製造業の役員と、譲受する燕市・戸塚金属工業株式会社代表取締役の追立俊朗さん、株式会社つばさM&Aパートナーズのアドバイザーとして山田代表取締役、平野洋人室長などが出席し、譲渡者と譲受者で株式譲渡契約の調印を行った。
山田社長はあいさつで、譲渡者、譲受者とも会社の先代社長との長いつきあいがあり、縁を感じると言い、先代社長が、汗をかいて残してきたものを、今度は追立さんが意思をつぎ、形態は変わるが事業を引き継いでくれると話した。M&Aパートナーズは、事業継続、引継が目的で、後継者がない、事業が継続できないといった問題を解決するために活動するので、協力を求めた。
追立さんは譲受した会社を、「互(たがい)コーポレーション」と社名変更し、代表を務める精密板金業の戸塚金属工業での知識と経験をいかし、「ものづくりの商社」というあまり例のないスタイルの製造の管理会社を新たに始める。地場の製造業とのタイアップが欠かせないことから、社名には互いによくなるようにとの思いも込めているという。試作や注文など製造管理、技術コーディネーター、技術コンサルタントも行う。
また、以前から新会社をつくりたいと考えているなかで今回の話を受け、石橋をたたいて目的に達しようという性格だが、その石橋を築いてくれたと譲渡者に感謝。今後も同法人や金融機関にもアドバイスを受けて軌道に乗せたいと話した。