モミジが色づき始めた弥彦公園で、サルスベリの木にモミジが宿り木となって成長。弥彦神社は近年、縁結びや恋愛成就のご利益があると若い人の参拝者も集めているが、この宿り木にも縁結びのパワースポットにと期待を寄せる人もいる。
宿り木があるのは、弥彦駅側から弥彦公園に入ってすぐ右手にある通称「ひょうたん池」のかたわらに立つ高さ5メートルほどに育ったサルスベリ。わずかに残った葉が赤くなっているが、上の方に不自然に青々とした葉が茂るところがある。それがモミジの宿り木だ。
風か鳥の仕業でサルスベリの幹のへこんだ所にモミジの種が入ったのだろう。すでに1メートルほどの長さに伸びて元気に成長しているが、この存在に気付く人はめったにいない。
これを見つけたのは弥彦村上泉、藤原澄雄さん(73)。弥彦公園の管理を委託されている弥彦村シルバー人材センターの会員として数年前に働き始めてすぐ見つけた。当時はまだモミジが10センチほどしか伸びていなかった。
「よくここまで育ったなと思って」。何年も宿り木を見続けてきた藤原さんには、愛着もわいている。ことしはサルスベリの枝を整理したので風当たりが強くなるため、「ことしは冬囲いをしてやろうかと思っている」と気遣う。
村役場にはことし9月にこの宿り木の存在を話し、口コミでしだいに存在が広まっている。10月29日から公園のもみじ谷を中心に行われているライトアップでは、この宿り木を照らすための専用ライトも設置してさり気なくアピール。看板を設置しようという話もある。
「宿り木は縁起がいい、ご利益があるという話もあるみたい」と藤原さん。1日に弥彦菊まつりが始まり、秋の弥彦観光は本番。弥彦へ出掛けたついでにぜひ宿り木を拝みたい。