真宗大谷派三条別院(森田成美輪番・三条市本町2)は、5日から8日までの4日間、宗祖親鸞(しんらん)の祥月命日に向けた法要、お取り越しの報恩講を行い、御絵伝(ごえでん)とともに仏法を説く絵解き法話も行う。
お取り越し報恩講は、ことしも5日午前11時からのお待ち受け音楽法要で始まる。5日午後2時からの初逮夜法要から最終日8日午前10時からの結願日中法要まで、晨朝、日中、逮夜と日に3回の法要を行う。
5日と6日のそれぞれ午後1時から椰野明仁(なぎの あきひと)氏による絵解き法話を行う。椰野氏は愛知県・名古屋教区11組本澄寺住職で三河すーぱー絵解き座座長。報恩講期間中、親鸞の生涯を絵に描いた「御絵伝」4幅を本堂に掛けておく。その絵のスライドを映して絵を説明するような形で仏法を説く。
7日は午後1時と3時20分の2回、さらに8日午前11時55分に寺本温氏が法話を行う。寺本氏は長崎教区第2組真蓮寺住職、長崎教区教化本部長、同朋会館教導、真宗本廟教化教導。長崎教区を中心に全国で布教を行っている。
5日と6日は午後2時からの逮夜法要に続いて第三代覚如上人が親鸞聖人の生涯をまとめた「御伝鈔(ごでんしょう)」を上巻と下巻に分けて拝読。7日は午後2時からの結願逮夜法要のあと親鸞聖人の生涯と報恩講の心得を説いた「御俗姓(ごぞくしょう)」を拝読。6日と7日は午前10時からの日中法要のあと、“おかみそり”を受けて法名を頂戴して仏弟子として生きてゆく儀式「帰敬式(ききょうしき)」も行う。
親鸞の入滅は11月28日。真宗大谷派本山では、毎年11月21日から28日まで御正忌(ごしょうき)報恩講が行われる。本山以外の別院や寺はそれと日をずらして行われ、繰り上げて行うことからお取り越し報恩講と呼ばれ、三条別院では毎年5日から8日まで行っている。
これにあわせて本寺小路周辺では5日午後1時から7日午後10時まで車両通行止めの交通規制が行われ、臨時市が開かれて露店が並ぶ。
また、6日は午後7時開場、7時半開演で本堂で初めて「シアターサンジョーゴボー」が行われ、長岡市の「劇団☆ASK*(アスク)」による演劇「怪異譚(かいいたん)海坊主」が上演され、三条教区の僧籍をもつ13人も出演する。
ことしの報恩講のちらしは、内部の僧りょがデザインした2種類を作成した。漫画風のコマ割りを生かしたデザインで、一方は漫画タッチで描いた。初めて漫画を強く意識して若い人にも興味をもってもらえるようなちらしにするなど、伝統的な報恩講のなかで新しい試みに果敢にチャレンジしている。
また、参道には報恩講を告げる駒札を立てているが、老朽化して黒くなったので、ことしは新し駒札に変えた。題字は新潟県書道教会理事の三条市の書家、木原光威さん(55)が書いている。
4日は一足早く境内にある松葉幼稚園の報恩講が行われ、朝は親子でお勤めを行ったあと、保護者は森田輪番の法話に耳を傾けていた。