燕市国上、道の駅国上のふれあいパーク久賀美で6日、正月飾りの八丁紙を作る体験教室が開かれ、約20人が参加して自分で八丁紙を完成させた。
八丁紙は白い紙で切り絵を作り、下に赤い紙を敷いて紅白のめでたい図柄を作る。越後では元旦から1月11日の蔵開きまで供えもちや神棚、玄関などに飾る習慣がある。ふれあいパーク久賀美は毎年、地元分水地区の切り絵サークル「分水切り絵村」が作る八丁紙を販売するとともに、自分で八丁紙を作る体験教室を開いている。
体験教室の講師も分水切り絵村の会員。来年のえとの酉(とり)にちなんで、ニワトリをデザインした5種類の図柄から好きな図柄を選んで作ってもらった。作業は白い紙2枚の上にコピーした型紙を載せ、カッターで正確に切るだけ。カッターは細かい所が切りやすく曲線を滑らかに切りやすい先端が市販のものより鋭角な替え刃に交換した。
失敗するのは、切っているときに紙を引っ張ってしまって破ってしまうこと。破らないようにするには、細かな部分を先に切るのがこつで、ただひたすら集中して型紙に沿って切るだけ。おかげで作業中はほかのことを考える余裕はなく、参加者は年配の人が中心だったが、若い人も「集中するのが楽しい!」とすっかりはまっていた。
分水切り絵村はそれまでのグループがサークルになってから20年ほどたつ。会員は6、70代を中心に燕市分水地区が中心の16人。第2、第4月曜の月2回、分水公民館で定例勉強会を開いている。この日はうち10人ほどが指導者として参加した。
八丁紙は年々、人気が高まっており、販売させてほしいという業者も多いが、会員だけでは必要な数が確保できないため、基本的に断っているのが現状だ。体験教室の参加者もリピーターが多く、会長の燕市五千石荒川、長岡国男さん(79)は、「十二支あって毎年、デザインが違うから人気。1回、覚えると友だちや親せきに配ってくれる。毎年、教室に来る人もいる」と八丁紙の人気を喜んでいる。
また、八丁紙の完成品はこの日からふれあいパーク久賀美で販売している。