9、10の2日間、燕三条地場産業振興センターで初めての「燕三条卸メッセ」が開かれており、燕三条地域から卸問屋やメーカー43社が73小間に出展し、来場する国内、海外からのバイヤーに地場産品をはじめとした取り扱い商品をアピールしている。
午前9時半から会場入り口前でオープニングセレモニーを行い、約40人が参列。実行委員長の燕商工会議所・田野隆夫会頭があいさつした。田野会頭は燕三条卸メッセを提案した理由について、燕も三条もものづくりの町を全国に発信、伝わるが、工場の人は営業するのではなく、匠の技を使ってよそにない商品を作り、地場の問屋がそれを全国津々浦々まで出張して一軒ずつ足を棒にして売り歩いた歴史があり、「車の両輪で地場の問屋とメーカーが支えてこの燕も三条も発展してきたと思う」。
中国の市場経済への転換で日本も大きく転換した。卸とメーカーの垣根がとっぱらわれ、メーカーよりはるかに大きな投資を毎年、型代を数億円もかけて新製品を開発する卸問屋もたくさんあり、「おれはものづくりだけだ、おれは商社だけだという時代ではなくなってきた。消費者に近い商品開発をしていかないと売れる商品をなかなかつくれない。そういう意味で消費者には近いのは商社なので、そこの意見を聞いて製造メーカーとタッグを組んで売れる商品を開発していただきたい」と思いを話した。
大手企業から、これから巨大な市場が隣りの国にあるからそこに販路を広げるように貿易商社を連れてこい、そうすれば燕三条地場産業振興センターの開く展示会が実際のビジネスに結びつくかも知れないとアドバイスを受けたと言う。
出展は43社にとどまったが、今後も燕三条卸メッセを「少なくても3年くらいは続けて」と希望・「同業者の方もたくさんお見えになると思う。あれだけ客が来てるんであれば来年はおれも出展してみようかと思うような方が増えてくるような展示会にさせていただきたい。来年は最低でも100社から出展していただいてやりたい」。
また国の地方創生に関連して「地方創生は燕市、三条市のまちがこういう企画をしてこういうふうにしてまちが活性した事例が全国にあるんだというようなまちになっていただきたい」と飛躍を願い、そうなれば各地からの来場者で宿泊施設も飲食店も活性化し、「そういう起爆剤になればと企画した」と述べた。
来賓祝辞で経済産業省関東経済産業局地域経済部の高橋一夫次長は、燕三条地域は「地域として製販が一体となって発展してきた地域」であり、「卸の目線から対外的に発信するのは極めてまれ」、「地域の特性を生かしたチャレンジングな取り組み」と評価。「メッセが今後の地域経済の発展に大きく寄与するさらなる地域のステップアップにつながること」に期待した。
新潟県商工会議所連合会の福田勝之会頭は「燕三条はものづくりを超えて人づくりに入っているんだなということをきょう本当に感じている」、「まさにこれからは人と人とをつなぐ、地域と地域をつなぐ、そいういうことができる人材を育てていかなければならない」とし、「メッセのスタートにあたり、地域がどうやって元気になっていくか、それを本当に勉強させていただく」。
鈴木力市長は、最初に田野会頭から企画を聞いて「これはすごいぞ。活気的なことだと思った」。地元の商社はすばらしいショールームを備えており、燕三条卸メッセには「燕三条地域のショールームがあるんだろうと思う。大勢のバイヤー、一般の消費者から来ていただき、ご覧になっていただき、新たな販路開拓なり、場合によっては商品開発に結びついてほしいと期待している」、「3回と言わず10回20回と続くことを期待している」と述べた。