国交省北陸地方整備局信濃川河川事務所は、今年度から着手する大河津分水路の堤防拡幅工事で伐採が必要になった堤防のサクラのうち移植できるものは移植して工事を進めようと11日、右岸堤防のサクラ並木の一部を旧国上小学校跡地に移植する「サクラ移植式」を行った。
平成27年度から大河津分水路の河口を中心に大規模改修に取り組んでいる。その工事で出る残土を使ってJR越後線の鉄橋から下流の右岸堤防延長2,150mで堤防の川と反対側に盛り土し、堤防の断面積を拡大する堤防拡幅工事に着手する。
この工事に伴って「小段」と呼ばれる堤防の中腹にある平段に植えられたサクラは伐採する必要に迫られたが、大河津分水路周辺のサクラ並木は、日本櫻名所百選に選ばれるほど有名で、サクラは燕市の市木でもあることから、一部を移植することにした。
旧国上小学校は1985年に旧四箇村小学校、旧中島小学校とともに分水北小学校に統合されて閉校。以来、跡地は活用されずにさら地のままとなっているが、毎年1月には国上集落の塞(さい)の神まつりが行われている。
今回はとりあえず樹齢15年ほどの移植に耐えられる比較的、若いサクラ5本を移植。今後もさらにサクラを移植し、地域の新たな集いの場所、憩いの場所になることを願っている。
委嘱式は午後1時半から現地で行い、それまで降っていた雨が委嘱式の直前になってぴたりとやみ、みるみる青空が広がった。燕市とNPO法人分水さくらを守る会と協働し、次代の地域を支える分水北小4年生25人と地元自治会長ら出席。先に移植しておいたサクラの根元に小学生からさらにシャベルで土を盛ってもらった。
意外と重労働で小学生には「ふー、疲れた」。そのあとは重機のバックホーに試乗してちょっぴり操作も体験。さらに色紙に手形を取った。手形は伐採したサクラの幹をスライスしたものに、レーザーカッターで手形の形通りに切って来年3月ころに小学生にプレゼントする。