バスケットボール女子日本リーグ機構(Wリーグ)の所属チーム「新潟アルビレックスBBラビッツ」の3選手が15日、燕市を訪れて地場産業の金属研磨を体験し、ものづくりの現場を見学した。
9月17日に燕市で行われた新潟アルビレックスBBラビッツのプレシーズンゲーム後の懇親会で、新潟市北区出身の山澤恵選手(20)が燕市の製品をたくさん持っているといった話を同席した鈴木力燕市長が聞きつけ、それなら来燕して燕市の地場産業を体感してもらおうとなった。
参加したのは山澤選手のほかにキャプテンの梅木智加子選手(26)、エースの出岐奏選手(30)。午前9時から燕市産業資料館を見学し、燕市磨き屋一番館で研磨体験、藤次郎株式会社で包丁づくりのものづくりの現場を見学した。
燕市磨き屋一番館では、研磨の技法や研磨職人の話を聞き、同施設の研修のようすを見学したあと、ステンレス製のタンブラーの研磨に挑戦した。中は先に磨いているあるので、体験は外側だけ。2台の研磨機で順に中間研磨と仕上げ研磨のバフ研磨を行った。
チームのオレンジ色のジャージの上に作業用エプロン、軍手2枚を着けて研磨機に向かって座り、高速で回転するバフに「怖い〜」とおっかなびっくりでタンブラーを押し当てた。磨いた部分の輝きに「おー、すげー!」、「やばい!」とテンションはマックス。「めっちゃ熱い」、「手がつりそう」と職人の苦労の一端も味わった。
タンブラーの底に印字機で名入れもして完成。さらにたがねを使ったキーホルダー作りにも挑戦し、アルミのネームレートの縁にあるバリを耐水ペーパーで取ってから、金づちでたがねを打って好きな文字を刻んだ。
また、燕市磨き屋一番館が製造したチーム創立5周年の金属製の記念プレートの購入者の名入れも行った。
言い出しっぺの山澤選手は、手でやすりでこするなどして磨くと思っていたが、「想像したのと磨く方法が違った。やってみたら意外と楽しい。達成感がうれしい」と念願の研磨体験ににこにこだった。
梅木選手は「センスのなかにも毎日の修行がどの世界でも必要と思った」、出岐選手は「磨くのは下手だったが、集中力をバスケットボールにも生かせたら」と話していた。