燕三条青年会議所(相場健一郎理事長)は12日、三条市と燕市の2カ所の空き地に住民とともに準備を進めてきた1日だけの「まちなか青空図書館」を開設した。突然、現れた青空図書館に、通りかかった人も足を止め、本を手にしていた。
午前10時から午後4時まで開設した2つの青空図書館は、燕は宮町商店街の高橋書店跡地に開き、テーマは「体験型青空図書館」。三条はパルム2東側の駐輪場跡地でテーマは「くつろぎスペース“土手”」。
市民参加型のまちづくりのきっかけになればと、グローカルの力委員会(原田昌明委員長)が、「市民のための市民によるまちづくりプラン」として企画した。このまちに内在している活力、賑わいを生み出す力とは何かを考え、5月ころから三条市や燕市内をメンバーが歩き、各地で問題にもなっている空き家や空き地に注目。
会場の1つとなった燕市の商店街にある空地は以前、書店があったことから「本」をキーワードにして、青空図書館を計画。市民にも参加を呼びかけ、三条市と燕市の2会場のグループに分かれて、ワークショップやDIYによる本棚やベンチ作りなどを行った。
三条で最高気温16.7度と防寒対策なしでは寒さも感じる青空の下、ベニヤ板や廃材などを使った本棚やベンチが置かれた各会場では、メンバーや活動に参加した市民、住民などが訪れて、本を読んだり、おしゃべりをしたりと、思い思いに過ごした。
通りかかった人たちは「なんですか?」と声をかけ、特設図書館に入って、じっくりと本を読む人や読み聞かせをする親子もいたりと、ふだんは見過ごしている空き地にできた異空間に関心を寄せた。
空き地の前を毎日、登下校で通っているという燕市の小学4年生の女の子は、「いつもすっからかんの何もないところに図書館ができて楽しい」と話し、次回の開催を期待していた。