燕運送株式会社(柳原秀治代表取締役・本社燕市蔵関)は19日、岩室温泉「ゆもとや」で創立60周年記念式典祝賀会を開き、取引業者や協力会社などから約200人が出席して人間なら還暦となる節目を祝った。
あいさつで柳原社長(53)は、1999年に68歳で死去した先代社長で父の清さんが燕駅前で開業し、馬車から自動三輪車、トラック、そして土建業から運送会社へ転換して苦労をして同社を築き上げたことから話した。
柳原社長は2代目として17年、社長業を続け、「社長のいちばんの使命は会社をつぶさない、社業を続けることだと思っている」。50周年でも記念式典を行い、モットーをつくったが、60周年にあたって「みんなが幸せになる」という社是をつくった。「会社も社員も、社員の家族も、取引会社も、さらに協力会社も、みんなが幸せになるよう、われわれも最大限、その目標に向かって努力していくべきと思う」と述べた。
燕市・小池工業団地に1900坪の土地を購入し、新たな拠点となる小池倉庫が28日に完成する。既存の300坪の倉庫に新たに400坪の倉庫ができ、子会社のさくらバスの移転に伴って100坪の駐車倉庫も建設した。
小池倉庫は「新しい輸送形態への挑戦ということで使っていきたい。さらにはいつかこの業態が新しい売り上げの柱になるよう育てていきたい」と願い、「流れのない川はよどんでしまうが、常に川の流れがあるように、われわれも止まらずにいろんな部分に挑戦してこの燕運送を引き継いでいきたいと思う」と決意を示した。
来賓の鈴木力燕市長は、燕市の産業はメーカーと商社が車の両輪となって発展してきたが、材料を運び、製品を全国へ運ぶ、「そこをつなぎ支える産業として物流業がある」、「そういった意味で燕の産業を60年間、支えたことを心より燕市を代表して敬意と感謝を申し上げる」と述べ、本業だけでなく積極的な地域貢献活動への取り組みにも感謝した。
株式会社第四銀行燕支店の神子島正樹支店長は「先代と現社長のふたりのたぐいまれなる経営力とリーダーシップ、それを支えてきた役職員の不断の努力によるものと思う。この60周年はひとつの通過点でしかない。これから70年、80年、そして100年企業を目指していただきたい」とさらなる成長を願った。
また、燕市子ども夢基金への寄付として20万円を柳原社長から鈴木市長に手渡した。
同社は1952年(昭和27)に先代が運送業を創業し、57年(同32)燕駅前で創業。燕市を拠点に、一般貨物自動車運送事業、自動車運送取扱事業、倉庫業を展開する。2015年6月で社員は87人。