新潟の冬の味覚、西洋ナシ「ル レクチエ」のことしの販売解禁日は21日。その前日20日、県内有数の産地、三条市大島地区でもこれから年末まで1カ月余り続く出荷が始まった。
西洋ナシの高級品種「ル レクチエ」は、県内産ナシの締めくくり。生産者が大事に育てた収穫後、さらに温度管理や湿度調節などの手間をかけ、約40日間追熟させて出荷する。新潟の名産品に育てようと新潟県が販売解禁日を設けている。「ル レクチエ」の生産量は、本県が全体の約8割を占めている。
出荷初日の20日午前、三条市・大島選果場には、果樹生産者でつくる大島園芸振興協議会(通称:大島園協)の西洋なし部会(渡辺康弘部会長・57人)の生産者が次々と「ル レクチエ」を持ち込み、さわやかな甘い香りに包まれた。
同部会では、確かな品質で消費者に届けるようと、部会員がJAにいがた南蒲職員とともに毎日、出荷前の検査をして出荷する。初日のこの日も午前11時から8人の検査員が、2キロ、3キロ、4キロ入りなど「JAにいがた南蒲」統一の緑色の化粧箱のふたを1つずつ開け、形、汚れや病気がないか、規格とあっているかなどをチェックした。
渡辺部会長によると、「ことしは、いつも通りにおいしく仕上がった」と言い、昨年は暖かい日が多く、生育など早めだったが、ことしは順調なでき。お歳暮などの需要が高まる12月初旬から中旬をピークに、年末ころまでの出荷となる。
同選果場では、今シーズン130トンの出荷を見込む。初日は1.4トンが持ち込まれ、県内と東京、札幌の市場へと出荷。翌21日に市場で競りにかけられて店頭に並ぶ。