燕三条地域の4軒の農家が栽培した新米コシヒカリと新品種「新之助」の試食販売会「お米Night(ナイト)」が20日、燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」で開かれ、100人近くがあらためてご飯をじっくりかみしめて試食した。
三条市の内山農園、農事組合法人亜倶璃さんじょう、田んぼのみながわ、燕市のひうら農場の4軒がそれぞれ栽培したコメを炊いて持ち寄った。さらに来年から本格栽培される注目の新潟県の新品種「新之助」とあわせて5種類のご飯を1.5口ほどずつよそってもらい、燕市の越後味噌醸造株式会社が用意したご飯のおとものみそ漬けやみそ汁とともに味わってもらった。試食の前に各農家がそれぞれのコメを栽培する環境や手法のプレゼンテーションも行った。
地元のコメづくりの生産者が認知されていない。コメの注文の声がかかるのを待っているだけでなく自らPR、営業に打って出ようと、内山農園の内山徳寿さん(38)の発案で2015年に三条市内で2回、地元のコメで炊いたご飯の試食会「お米Night」を開き、今回は燕三条ブランド推進室の依頼を受けて燕三条Wingで開いた。
午前11時半の試食開始より1時間以上も早くから訪れる人もあり、プレゼンテーションも20人以上が聴いた。試食開始とともに行列ができる人気で、ふだんは何気なく口にしているご飯をあらためてじっくりと味わった。
味の違いを感じることはできたもの、米粒の柔らかさ、温かさなどの要素の違いもあり、純粋にコメによる味の違いなのかどうかを判断するのは難しかった。
いずれにしろ、4軒の農家は土づくりにこだわったり、農薬をなるべく使わないようにしたりと、とくにコメづくりにこだわっている人ばかり。平均的なコシヒカリよりおいしいのは間違いなく、たまたま燕三条Wingを訪れて試食に参加した人は、思わぬおいしい新米コシヒカリのふるまいを喜んでいた。
富山県に住む友だちと新潟県で合流し、現美新幹線の乗車をメーンにJR東日本の観光周遊バス「びゅうばす」を利用して3日間、県内を観光した千葉県に住む女性は、前日にお米Nightの開催を知り、参加しようと思った。
最終日は観光タクシーで燕市国上の五合庵や出雲崎町の良寛記念館を見学して燕三条駅から新幹線ので帰路に着く前に、お米Nightに。試食して「おいしかった。全部、味が違うのが良くわかった」と話した。ふだんはスーパーで新潟の「こしいぶき」を買っている。「値段と味は連動するけど、5キロで2千円を超えると庶民はなかなか手が出ない」と、おいしいとわかっていてもコシヒカリは買えないと話していた。