三条市飯田小学校の3年生は22日、自分たちでふ化させたサケの稚魚を来年3月に放流する事前学習として、五十嵐川漁業協同組合の三条市高岡、五十嵐川鮭鱒共同ふ化場でサケの採卵の作業などを見学し、500粒の卵を持ち帰った。
サケの稚魚の放流の主催は、火焔土器に代表される縄文をキーワードに三条市など信濃川中流域の市町村が交流・連携を図る信濃川火焔街道連携協議会。「カムバックサーモン事業」の一環。縄文時代の重要な食糧だったサケを現在の信濃川とその支流によみがえらせようと毎年、地域の小学生とともに稚魚を放流している。
飯田小3年生18人は放流だけでなく、ふ化にも挑戦する。この日の午後、五十嵐川の渡瀬橋上流に仕掛けられた「ウライ」や投網で、信濃川、そして五十嵐川を上ってきたサケの捕獲を見学。ふ化場では、採卵の様子など見学し、サケのふ化の状況や一生について同漁協の飯塚喜一組合長に聞いた。
渡瀬橋上流では、約5千年前に下田地域に暮らしていたという縄文人の衣装を飯塚組合長はじめ児童にも着てもらい、サケの捕獲を見学。川の中を泳ぐサケを見つけては「いるよ!いるよ!」と指さした。投網での捕獲は、1匹が4、5キロはありそうなサケが水しぶきを上げて水面から現れ、大きく体をくねらせるサケが岸にあげられた。
ふ化場では、サケの腹を裂いてオレンジ色の卵を取りだし、受精、卵の洗浄、給水などの作業を見学。児童たちは、オスとメスの体の特徴の説明や採卵の方法などを真剣に聞きながら、その都度、文字とイラストを学習ノートに書き込んでいた。
児童たちは、500粒の卵を分けてもらい、学校の水槽でふ化に挑戦する。