燕市内の食物アレルギーのある子どもをもつ親を中心にことし6月に発足した「燕アレルギーっ子クラブ」(落合智子代表・会員16人)は11日、燕市・日本料理「明治屋」で初めてのクリスマス会を開いた。20人が参加し、7大アレルゲンをはじめアレルギー物質を含まない料理ばかりを用意し、アレルギーを気にせずに腹いっぱい味わってもらった。
料理はビュッフェスタイルで、ハンバーグ、餃子、グラタン、竜田揚げなど10品を用意した。7大アレルゲンと呼ばれる特定原材料は、卵、小麦、乳(乳製品)、そば、落花生、えび、かに。なかでも卵、小麦、乳は数多くの料理に使われており、それなしにはほとんどの料理はつくれない。
今回は、アレルギー物質を使わない料理のレシピを、会場の明治屋がこの日のために初めて考案して提供した。ハンバーグのつなぎの卵とパン粉は、パン粉も元は小麦なのでどちらも使えないため、ゆるい感じはあったが、どの料理も言われなければアレルゲンを使っていないとは思えない味や食感にできあがった。
明治屋のおかみは、アレルゲンフリーのレシピについて「ものすごく難しかった。あれこもこれも使えない。身に染みて親御さんの大変さがわかった」。加えて燕市・飴屋本舗はクリスマスケーキを用意した。アレルゲンを使わないケーキを作ったのは初めてで、店の主人の遠藤重治さん(60)は「卵が使えないのが大きい。小麦粉の代わりに米粉を使ったけど、食べると口の中で米粉に戻ってしまう」と仕上がりに納得せず、勉強不足と反省していた。
代表の落合智子さん(44)は、中学2年の二女に落花生のアレルギーがある。10年ほど前から燕市給食運営委員会の運営委員を続けている。給食ではアレルギーのある子ども向けにアレルゲンを使わない給食の提供を行っているが、行政の対応がまちまちだったり、情報交換がなされていなかったり。落合さんはアレルギーのある子どもをもつ立場から運営委員会でさまざまな意見や提言を行っている。
その一方でアレルギーのある子どもをもつ親が集い、情報交換し、悩みを打ち明けようと「燕アレルギーっ子クラブ」を発足。その初めてのイベントとして、アレルギーに対する緊張感をもたずにたくさんの料理を味わってもらおうと企画した。
会員の皆川亜樹子さん(44)は、中学校3年の長男と小学校1年の次男があり、次男が小麦、乳、卵、それに大豆にアレルギーがある。生まれて2カ月で顔から体液が出るほどの激烈な症状に見舞われた。
初めてアナフィラキシーになったのは大豆が原因。離乳食で大豆のクラッカーをかませたていどでアナフィラキシーになり、呼吸停止状態に至った。2人目の子どもだったので「手ぬるいところもあったのか」と自分を責めることもあった。一方で、そのおかげで食を勉強し、関心をもつことになり、「わたしに勉強しろと生まれてきた」と感謝するようにもなった。
クリスマス会で子どもたちがみんなではしゃいで料理を食べているようすに「こうやってみんなが生き生きと食べているようすが見られてうれしい」と目を潤ませていた。
子どものアレルギーに悩んでいる人に気軽に相談してほしいと入会を呼びかけている。問い合わせは代表の落合さん(電話:0256-66-0973)へ。