団塊の世代のリタイアした男性がボランティアや市民団体にかかわるきっかけになればと燕市社会福祉協議会は14日、燕市民交流センターで初めての「お父さんのための地域デビュー講座」を開き、6、70歳代の7人が受講してカレーライスの調理実習に挑戦した。
女性は高齢になってもコミュニティーに参加してアクティブに活動している反面、男性はリタイアすると家にこもりがち。高齢者向けの事業を行っても参加するのは大半が女性。なんとか男性に参加してもらおうと、この講座を企画した。
オリエンテーションやアイスブレークで心を開き、すでに市民団体に参加している男性による事例発表を聞いてから調理体験。調理室で材料を切るところから始め、インド料理の飲み物、ラッシーも作った。
最初はそろいのピンクのエプロンと三角巾に照れていたものの、料理を続けるうちにまんざらでもないようすに。ほとんどの人がまさに「男子厨房に入らず」でふだんはまったく料理をすることはないが、調理の待ち時間には洗い物をするなど、積極的に調理に参加した。
完成したカレーライスを昼食として味わった。ボリュームたっぷりで「夕飯は食わんたっていいな」。「これ何だね?」とラッシーを指さす人に「名犬ラッシー」、「バリウム飲んでるみてら」と冗談を言い合って笑い、「自分で作って食べるのはいいね〜」と食も進んでいた。
受講者の燕市吉田日之出町、前山好司さん(75)はグループホームや福祉施設で支援や会話を行うボランティア団体「おたすけ隊」に参加しており、その事例発表も行った。「ウチでも洗い物ぐらいはやってるし、卵焼きはわりと上手だけど、こういうのも楽しいね。男の料理だから味も大ざっぱだし。自分で作ればおいしい」と大満足。「同じ釜の飯を食べるとか言うけど、これをきっかけにカレー同志になって仲間づくりができればいい」と笑った。
調理指導に当たった燕市食生活改善推進委員でボランティア・市民活動センター運営サポーターでもある阿部良子さん(58)は「皆さん手際よくてびっくりした。60代以上の男子がこんなにできるなんて」とチャーミングな男子に拍手を送っていた。