燕署は14日、特殊詐欺を未然防止した燕市花園町、協栄信用組合小中川支店の高井雅史支店長(44)と横山湖寿恵主任(40)に斉藤正栄署長から署長感謝状を贈って功労を表彰した。
1日午前10時半ころ、70歳代の夫婦が同支店に来店し、窓口で「セキカワさんいらっしゃいますか」と横山主任に聞いた。横山主任は該当する職員はいないと答え、事情をたずねた。
夫婦によると、市役所から電話で年金の還付金があり、5月ころにはがきを送ったと言われた。続いて今度は協栄信用組合の「セキカワ」と名乗る人が電話してきて、スーパーのATMで手続きができると言われた。妻が電話で応対していたが、不審に思って夫が念のため「セキカワ」という職員が実在するか確かめようと来店した。
横山主任は明らかに詐欺と思い、高井支店長とともに夫婦の話を聞く一方、110番通報した。警察官が到着してからも携帯電話には犯人からの着信があった。
横山主任は「70歳以上、200万円以上はとくに注意しているが、そこまでいかない若い人でも確認するようにしている」、高井支店長は「常日ごろから声かけしてふつうの会話をするように言っている」。横山主任は夫婦の顔を以前にも見かけており、斉藤署長は「地域に密着しているおかげで、ありがとうございます」と感謝した。
昨年、燕署管内で特殊詐欺被害を未然防止した13件のうち6件が協栄信用組合だった。ことしの管内の特殊詐欺被害は11月末で3件、被害総額は1,856万円にのぼる。