26日に糸魚川市大規模火災の支援を開始した三条市に拠点を置く「にいがた災害ボランティアネットワーク(NSVN)」(川瀬和敏理事長)は翌27日、災害ボランティアセンターの運営に関するアドバイザー・コーディネーターとして3人のスタッフが現地で活動した。
糸魚川市災害ボランティアセンターは23日正午に設置され、被災者が必要とする支援調査から取り組んでいる。にいがた災害ボランティアネットワークは27日、前日から糸魚川市に入っていた事務局長の李仁鉄さんが糸魚川市役所との調整役や糸魚川市社会福祉協議会のアドバイザーを務めた。会員の野村祐太さん、理事の野村卓也さんは災害ボランティアセンターの会場の設営や中学生ボランティアのコーディネートを行った。
災害ボランティアセンターの仕事は、ボランティアのニーズを把握することから。李さんによると、火災で災害ボランティアセンターが開設されるのは国内で初めてのことで、最も経験のある水害ではニーズを想定して先読みして活動できるが、今回は試行錯誤しながら進めている。
水害では泥出しに最も人手が必要とされ、大量のマンパワーを求められるが、火災ではそれがない。にいがた災害ボランティアネットワークは国内で災害ボランティアセンターが設置されるたびに、10トン車で備蓄したボランティア活動用資機材を被災地へ運んでいるが、今回はそれほど大がかりにならず、多くても2トン車ていどで足りそうだ。
一方で、「見えない被災者が多い」と李さん。親せきの家へ避難している人が多く、漠然とした不安を口にする人もいて、引っ越しの手伝いや話相手になるといったボランティアが必要になるだろうと見ている。また、災害ボランティアセンター以外にも糸魚川青年会議所をはじめ地元団体が支援に動いており、地元愛を感じるとも。
被災地では公費でがれきの撤去が行われることになり、年内にはニーズを聞く作業を続け、年明けからボランティア作業が活発になりそう。李さんはボランティアが必要になったら募集するので、そのときは協力を求めている。