官公庁仕事納めの28日、燕市の鈴木力市長は職員を前に年末の訓示を行った。燕製金属酒器購入支援金の手続きに関する職員の不祥事から「新たな仕事に向き合う姿勢をもういっぺん考え直していただいて新年からまた取り組んでいただければ」と厳しさのある文字通りの訓示となった。
鈴木市長は訓示で、3月に合併10周年の記念式典を行い、4月から第二次総合計画をスタートしたことから振り返り、浄水場の統合、新設に向けた水道料金の改定が実現できたことで「名実ともに合併が完成したのかなという思い」、「ひとつの大きな節目の年」と述べた。
春の熊本地震から夏の横田切れから120年のイベント、年末には市内水道の断水で「いざというときの備えがあらためて大切なことを再認識させられた年でもあった」とした。
不祥事については「あらためて仕事に向き合う姿勢をもういっぺん見詰め直してしっかりしなければならないというような出来事もあった」と切り出し、「親切、ていねいも大切だが、われわれの仕事は正確ということが大切なんだということもそれを考えさせられ、突きつけられた年でもあった」。
職員の年齢構成の関係からここ数年、ベテランが職員が次々と退職し、若手が昇格して現場では仕事が忙しくなり、少数精鋭でやらねばならなくなっているとし、「だからこそ教え合い、学び合う風土をしっかりつくってお互い連携をしつつ声をかけあってお互いフォローし合って組織として力を発揮していくということが大切。それを最後の最後に考えさせられた」と述べ、「新たな仕事に向き合う姿勢をもういっぺん考え直していただいて新年からまた取り組んでいただければ」と求めた。
新年は「燕(ツバメ)は鳥、とり年、燕ということなので飛躍の年に皆さんとともにしていきたい」、「年末年始、大いに英気を養って充電をして年明けの仕事を再スタートしていただければ」としつつも、「暴飲暴食、体に気をつけていただき、プライベートな時間であってもわれわれ公務員は身を律しなければならないということをご存じと思うので、そこも気をつけていただいて何ごとも問題なくまた皆さんと元気な顔で新年お目にかかることを祈念する」と述べた。
同じ日に行われた国定勇人三条市長の職員に対する年末のあいさつは、年末年始休暇の過ごし方について「仕事をいっさい忘れて家族、友人、親せきと素晴らしい年末年始を過ごしてほしい」、「徹底的に遊びましょう」と仕事をできる限り忘れるよう求めたのとは対照的に、鈴木市長は年末年始も仕事に向かう姿勢を見直し、プライベートな行動にも節制を求めた。燕市長が“訓示”、三条市長が“あいさつ”としているのに沿った内容だった。