三条市・法華宗総本山本成寺では、ことしも大みそかの31日夜から除夜の鐘をついて新年を迎えた。
降り続く雨のなか、午後11時45分に法華宗の門谷日悠管長をはじめ来賓や塔頭寺院住職らが行列をつくって客殿を出発。うちわ太鼓を打ち鳴らして境内を鐘楼堂まで歩いた。
紅白幕をめぐらした鐘楼堂内で門谷管長は、火打ち石を打って清めの切り火を行って読経のあと、門谷管長が最初の鐘を打つ初撞(はつつ)きを行った。さらに国定勇人三条市長ら来賓が順に鐘をついたあとは、一般参拝者が鐘をついた。
門谷管長は鐘をつくと参拝者が列をつくる本堂へ移動して、念頭祈願会を営み、元朝経(がんちょうきょう)。門谷管長は参詣者一人ひとりの頭上に経巻(きょうがん)を向ける「経巻頂戴(きょうがんちょうだい)の儀」を行い、家内安全や無病息災を祈願した。庫裏では恒例の甘酒のふるまいもあり、参拝者はたくあんとともに甘酒を味わって体を暖めた。
鐘楼堂には100人近くが行列をつくり、百八発オーバーは確実な状況。本堂のさい銭箱の前にも多いときでざっと300人が行列をつくった。鐘をつく一般参拝者はまさに老若男女だったが、「除夜、ついちゃおっかな!」と軽いのりの若者もいた。
一般参拝者で最初に鐘をついたのは、三条市内に住む同い年の友だちと3人で訪れた27歳の女性。「一発目で鳴らして楽しかった」と満面の笑みで、感想は「音がでかかった」。毎年、弥彦神社へ二年参りに出掛けているが「除夜の鐘をついてみたかったから」と初めて本成寺の二年参りに参拝し、「初詣も行きたいな。人がいっぱいいるところに行きたい」と話していた。