仕事始めの4日、三条市では国定勇人市長が年頭のあいさつ。国定市長は、ときには鳥の目になり「その地面と空との交互の目線を常に持ち合わせながらこの1年間、仕事に取り組んでいただきたい」と述べ、平成29年をスタートした。
午前9時に三条庁舎で約150人の職員を前にあいさつした。国定市長は、「年始に当たって、あらためて公務員としての心構え、三条市職員としての心構えを共有したい」と話した。
行政は1月1日より4月1日が大きな節目。年は変わっても平成28年度を生き続けていることに変わりはなく、「新たな時代と過去の時代とが交わる汽水域(きすいいき)に立つ」とした平成28年度の施政方針にふれた。
自分たちはまさに汽水域に立っている。「新しいスポーツ文化の複合施設、三条小学校の跡地活用をはじめとする、面としてのまちの装いを切り替えていかなければいけない。もちろん、それに先導してソフトの面も大きく価値観を変えていかなければいけない、新しい方向性を取り入れていかなければいけない」と言い、今までと大きく異なる環境に船出をしようとしている今、公務員として、三条市職員としての基礎体力が必要と進めた。
三条市職員である前に公務員であり、公務員はわが身を捨てて世のため人のために働く存在でなければならない。それと同時に、それを体現化していくためには私の気持ちを捨て、公のために何が正しいのかをジャッジメントしていかなくてはならない。その際、先人が築いてきたルール規範を軸に行政サービスを提供していくことが求められる。
その上で、私たちは公務員であるだけではなく三条市職員でもあり、多くの仕事のは法令や規則の文言のルールでは処理しきれないものばかり。「ルール、基本的な柱になるものは遵守しながらも、ひとつひとつの事案に対しては“三条市役所品質”というバイブルにのっとり、市民の立場に立って徹底的に考え、対処していく。これが一人ひとりの職員に求められるものであり、実践、実行をしていただければ、十分な基礎体力を身につけることができる」と、1年の計を図るこの仕事始めに、基本に立ち返ってもらいたいとした。
さらに、まったく目標が示されていない大海原に立ち向かっていくには、一人ひとりがどちらに向かってこぎ出していくべきかをしっかり考えるべきとして、「既存のルールを踏まえて対応していかなくてはならないが、わたしたちが、先人たちが築いてきたルールが本当にそのままでよかったのか。過去、こういうふうにしてきたから、自分たちも同じことをすればいいやというふうに、おそらく多くの職員が安直に物事を考え、仕事を処理してきたと思いますが、大海原に漕ぎ出していく私たちにとっては、そうしたやり方ではあっという間に転覆してしまう」。
「常に木をしっかりと育てていくことはもとより、ときには鳥の目になって森全体を俯瞰(ふかん)しながら、この大海原の先には、自分たちの仕事ひとつひとつの目の前に何が広がっていくのだろうかということにも思いをはせていただき、その地面と空との交互の目線を常に持ち合わせながらこの1年間仕事に取り組んでいただきたい」と求めた。
最後は、「公務員らしく、三条市職員らしく、未来の三条市を描ける人間らしく、この1年、取り組んでいたただきたいと思っている。わたしも皆さんと一緒になって、こうした原理原則の実践者であり続けたいと思っています。皆さんといい知恵を出し合いながら、この1年、素晴らしい三条市にしていきましょう」、「健康に十分留意され、公私ともに幸せな1年にしていただきたいと思っております。ことしも1年どうかよろしくお願い申し上げます」と、年末あいさつの3倍の時間、12分間のあいさつを締めくくった。
国定市長は、冒頭で、仕事納めにあたってのあいさつにふれ、市長自身も徹底的に仕事のことを忘れたとし、オンオフしっかりと切り分けて、きょうは気持ちも新たに平成29年の仕事の始まりを迎えて頂いたのだろうと思っている始めており、「ON」に切り替わった職員も、年末年始とメリハリのある市長のあいさつで、さらに気を引き締めていた。