三条市は8日、平成29年三条市消防出初式で消防車両の市中パレード、一斉放水、高層建物訓練などを行った。昨年、三条市内で発生した火災は過去最少の20件にとどまったが、ことしはさらにそれより少なくなることや無災害を願った。
午前9時半からの市中パレードで始まり、職団員89人が分乗して消防車や救急車、消防団の車両など計36台が市街地を進んだ。出発場所の三条市厚生福祉会館前では、統監の国定勇人市長らが観閲し、ラッパ隊の演奏のなかを通過する1台1台に敬礼した。
一斉放水は、9時45分から昭栄大橋上流の五十嵐川右岸側河川敷で行い、消防団22部95人が参加。対岸に向かって一斉放水し、22本の水柱をあげた。
続いて三条市消防本部の訓練場で10時15分から、市民も参加した初期消火訓練や高層建物訓練。高層建物に見立てた訓練塔で出火を想定し、2階と5階にいた要救助者を救助するとともに、消火作業を行った。
午前9時の気温は2.5度。決して暖かいとは言えないものの、雪やみぞれなど悪天候が多い例年に比べると、積雪もなく青空ものぞいたことしは、各会場とも家族連れなど見学の市民も多かった。
訓練場では200人以上が見学に訪れ、はしご車や新導入の救助工作車などがサイレンを鳴らして訓練を開始すると、子どもたちは「かっこいい」と目を輝かせ、きびきびとした隊員のようすに釘づけだった。
このあとの式典で、国定市長が訓示を行い、「き然とした日ごろの成果が1年の初めにすでに発揮されている素晴らしい訓練だった」と始め、年末に発生した糸魚川大規模火災を「痛ましく、凄惨(せいさん)な災害」と述べ、応援対応に当たった職員に感謝した。
昨年、三条市内で発生した火災は20件で過去最少だった。これまで最少だった27件より7件も少なく、一昨年は30件で、劇的に少なかった。
「ひとえに皆さまがたの献身的な支えと、警防課をはじめとする多くの皆さまがたの予防活動、啓発活動が、市民の皆さま方の意識を高め、結果としてこうした素晴らしい成果を上げることができた」、「すべての消防職団員のご労苦に、そして、1件たりとも火事を増やすことの無いようにと頑張られた皆さま方にあらためて感謝を申し上げたい」。
しかし、「1年に20件もの火災があるとしっかりと受け止めていかなくてはならない」と続け、いっそうの引き下げと引き続きの精進と訓練と啓発をと求めるとともに、火災も各種災害もない平穏な1年になることを願った。
職団員を代表して三条市消防団の長谷川作雄消防団長が「消防の使命達成に邁進(まいしん)する」と決意表明を行い、大久保修市消防長が謝辞のなかで「地域住民の安全と災害の未然防止、被害の軽減という消防の任務遂行のため、今後とも消防行政に最大限の努力を重ねていく」と決意を新たにした。