「しかけ絵本蔵書日本一」を誇る三条市が初めて企画した手づくりしかけ絵本コンクールの審査結果が10日発表され、全国から応募された104点の応募作品のなかから賞金100万円の最優秀賞には東京都の母・延近里美さんが文、娘・延近萌さん(27)が絵を担当した作品「ちいさなめ」が受賞した。
女の子が庭に埋めた給食の種が育ち、ビワの実がなったという話を6ページのしかけ絵本にした。ページを開くと家や庭の草花、木々、女の子などが飛び出す。ページを開くにつれて女の子は万歳するように手が上に上がる凝った仕掛けも。リンゴ、メロン、ブドウなど果物の絵をめくると、なかにそれぞれの本物の種が入っているというアイデアもある。
この作品は5冊を委託して製作し、1冊は受賞者にプレゼントし、4冊は三条市立図書館栄分館のしかけ絵本コーナーに置いて閲覧できるようにする。
三条市ではしかけ絵本の蔵書日本一を目指し、15年2月に栄分館にしかけ絵本コーナーを設置し、約1,600冊の蔵書がある。栄分館をさらに活性化させ、話題性のある場所にして足を運ぶきっかけにもなればと、おそらく国内でも唯一のしかけ絵本コンクールを企画した。
最優秀賞賞金が100万円と破格だったこともあって全国から注目を集め、一般部門91点、小・中学生部門13点の計104点の応募があった。昨年12月6日に絵本作家のきむらゆういちさんと米津祐介さん、新潟県工業技術総合研究所・坂井朋之所長、三条鍛冶道場長谷川晴生館長の4人が審査した。
一般部門賞は最優秀賞のほか、優勝賞2点、しかけ部門賞1点、ストーリー賞2点、入賞2点、小・中学生部門は最優秀賞に兵庫県に住む椎木寧音さん(10)の「ふしぎな小麦粉」をはじめ、優秀賞2点、入賞2点が決まった。応募のほとんどが県外からで、県内からの応募は20点ほど。三条市からは2部門で1人ずつが入賞した。
21日から29日まで栄分館のある栄保健センターで作品展を開いて応募全作品を展示する。初日21日は午前10時から同センターで表彰式を行い、表彰式後に開場し、審査委員長のきむらゆういちさんが作品解説を行う。受賞作品は次の通り。敬称略。
賞 | 作品名 | 作者 | 地域 |
---|---|---|---|
一般部門 | |||
最優秀賞 | 「ちいさなめ」 | 延近萌/絵 延近里美/文 |
東京都 |
優秀賞 | 「野球場へいこう」 | 高橋紘美/作 | 三重県 |
「たいせつなこと」 | マリー/作 | 東京都 | |
しかけ部門賞 | 「こざるがいっぴき」 | にったかずよし/作 | 埼玉県 |
ストーリー 部門賞 |
「ゆめゆめどんなゆめ?」 | いしばしひろやす/作 | 佐賀県 |
「ふとんでびゅ〜ん」 | ののはらのばら/作 | 三重県 | |
入賞 | 「みつめるたべもの」 | よこやまなおこ/作 | 神奈川県 |
「のりものまどのそと」 | おおたにるみこ/作 | 三条市 | |
小・中学生部門 | |||
最優秀賞 | 「ふしぎな小麦粉」 | 椎木寧音/作 | 兵庫県 |
優秀賞 | 「本の名前」 | 青木美優/作 | 三条市 |
「N700けいAのたび」 | いちのせせんたろう/作 | 東京都 | |
入賞 | 「おばけの赤ちゃん」 | 玉木芽衣/作 | 新潟県 |
「ぼくとフレディ ベットの下のぼうけん」 | 西浦七瑠/作 | 神奈川県 |