ツインバード工業株式会社(野水重明代表取締役社長・本社燕市吉田西太田)は11日、燕三条ワシントンホテルで恒例の賀詞交歓会を開いた。国内製造を強化していることもあって出席者は158社の246人にのぼり過去最多。ことしはさらに国内製造比率を30%に高め、「原理原則の徹底と進化し続ける組織」を基本方針に「働き方改革と生産性の向上」を大きなテーマに取り組む考えをを示した。
野水社長はあいさつで、2015年に東京日本橋自社ビルを取得、昨年は6月に本社ショールームを全面改装し、8月に燕市や燕商工会議所、JA越後中央、多くの企業の協賛を得て初めて開催した夏フェスには1600人が来場し、11月には燕市主催の「TSUBAME HACK!」のイベント会場にもなったことを振り返り、「高品質でオリジナリティーあふれる商品を創造する“共創”の場として、また、世界に“Made in 燕三条”を発信する拠点にしたい」と述べた。
昨年は初めて「燕三条ものづくりメッセ」に参加。「創業以来65年を通じた地域のモノづくりネットワークは、わたしたちツインバードのビジネスモデルの原点回帰でもあることを再認識した」。
昨年はイギリスのEU離脱問題、アメリカ大統領選など想定外の大きなニュースがあり、為替相場も年間で20円以上乱高下した。「ことしは“不確実性の時代”になると予想される」ことから、今年度は「原理原則の徹底と進化し続ける組織」を基本方針に「ブランディング」、「働き方改革と生産性向上」、「海外事業の推進」、「SC事業の推進」、「風土改革の実践」の5項目に注力する。
企業の目的は「顧客と顧客価値の創造」であるという原理原則に立ち返り、社員もユーザーもわくわくする製品を創造し、喜んでもらえることを同社のブランディングであると再定義。さらに「働き方改革と生産性の向上」を大きなテーマにユーザーの付加価値を創造する時間を生み出すため、業務改革を進め、IT化や職場の環境整備に投資する。
原点に立ち返って国内製造を強化するなか、17年は国内製造比率30%、売上金額換算で約45億円を目指す。昨年は燕三条の技術が詰まった「超高級扇風機 ピルエット」を発売し、「高品質でオリジナリティーあふれる感動製品を製造し、燕三条からあっと驚く製品を全国や世界へ届ける」ことで地方創生にもつなげる。
最後に「ことしのえとである“とり”の名前を持つ会社として、大きく羽ばたく飛翔の年にしたい」と出席者からの支援により、すばらしい1年にしたいと締めくくった。
また、ふつうは1週間から3週間かかるフルーツ酢が1日で作れる新製品「フルーツビネガーメーカー」をメーンとなって開発した入社4年目の若手女性の企画デザイナーと女性エンジニアによる商品紹介も行い、女性社員によるユーザー目線の商品開発など同社の積極的な取り組みもアピールした。