燕市粟生津地区のコミュニティー組織「粟生津親栄会」(荒木正美会長)は15日午後、ことしも地元の粟生津保育園西側で塞の神(さいのかみ)を行い、地元の親子など約300人が参加し、雪の中で燃え盛る火に無病息災や五穀豊穣を願い、小正月行事の風物詩を楽しんだ。
古くから地域で行われてきた塞の神を1995年ころから親栄会が引き継いで行っている。ことしも午後0時半ころからもちつきを行って参加者にふるまい、昼食代わりに豚汁の販売やキッチンカーも並んだ。
塞の神は火の粉や煙で近隣に迷惑がかからないよう小さめでに作り、高さ4メートルほど。タケで円すい形の骨組みを作ってなかに古くなった縁起物や練習した書き初めを入れ、むしろを巻いた。鈴木力燕市長をはじめ10人ほどが塞の神を囲み、先端を燃やしたタケの棒でいっせいに点火した。
塞の神はたちまち炎に包まれ、火が収まるのを待って参加者はタケ棒の先から下げたスルメを塞の神の火で焼いた。例年、参加者はいっせいに塞の神を囲んでスルメを焼くが、長靴がすっぽり埋まってしまうほど雪が積もっていたため、雪を踏み固めた通路を作り、そこを歩いて行列しながらスルメを焼いてもらう形だった。
新潟市西蒲区の旧中之口村に住む浅野陽子さん(33)は、同じ地域に住む友だち夫婦に誘われて小学校3年生と年中児の2人の息子と訪れた。塞の神を見るのは初めてで「子どもが喜ぶかなと思って来てみた。おもしろくてスルメを焼くのも楽しかった」と自身も子どものように楽しんでいた。