燕市吉田地区の吉田商工会(美内信孝会長)は16日、燕市吉田産業会館で毎年恒例の商工業者新年の集いを開き、約150人が参加して新しい年を地元の商工業者あげてスタートした。
美内会長はあいさつで、国内経済はアベノミクスノの限界が見え始め、一部の大企業を除いて厳しさを増しており、とくに地域の商工業者は少子高齢化が社会の至る所にマイナスの影響を及ぼし、「今までの発想を転換してチャレンジしていかなければ生き残れない」との認識を示した。
国の小規模事業者振興基本法が制定され、国から経営発達支援計画の認定を受けるなど、「これらの支援策を積極的に活用し、中小企業、小規模事業者に寄り添いながら経営力の向上のため、もてる力を最大限に引き出し、持続的な事業の発展のため伴走型支援をこれまで以上にきめ細かく積極的に推進する」。
地域にいちばん近い経済団体として「行きます 聞きます 提案します」の統一キャッチフレーズを再認識し、各種施策を有効に活用しながら商工会の責務を果たす。行政機関や商工団体と効果的な連携に努め、巡回訪問、地域の懇談会を継続し、今後も多彩な事業にチャレンジしていく。
地域コミュニティーの活性化の一翼を担うべく吉田まつりや天満宮の祭礼、チャリティーゴルフ大会など地域振興事業にも主体的な役割を果たし、積極的に事業を展開して「会員の皆さまに役立つ商工会として信頼される組織となれるよう役職員一同、いっそうの努力をしてゆく」。
ことしの酉(とり)年の「酉」の字には、果実などが成熟した状態を表す表わし、「取り込む」として商売では縁起がいいとされ、「運気もお客さまも取り込み、大きく発展する年になることを願っております」と締めくくった。
来賓の鈴木力市長はあいさつで、「もうかつてのようにみんながみんな、バラ色のように景気がいいということはなかなかない」とし、「いろんな経済環境の変化のなかでいかにそれに対応していくかということが求められている」。その根底に流れるのは人口減少による市場縮小や従業員が確保できないことで、そのなかでいかに売り上げや事業を伸ばし、継続し、技術を伝承していくかが大切なこれからの課題になっている。
行政としてもそういう課題に対していろんな形で支援をするが、「とにかく人が集まらなければならない」。外国人を含め、外から人がこの地域に足を踏み入れ、技術なり、製品にふれて魅力を感じてもらうことが大切になっている。
2日後から新年度の予算編成が始まるが、大きな方向性として「学生たち、若い人たちが集まってくるようなことはできないかと検討している」。そのひとつの事業のアイデアとして、大学生のインターンシップを燕の地域に受け入れる仕組みをつくり、若い人たちから燕市のいろんな現場で学んでもらう。
「理想はそのまま就職してもらうことだが、別のところに就職してもこの地域の産業、技術、会社を良く理解する若者が増えれば、いずれいろんな取り引きに結びついていく」と将来も見据えた取り組みを紹介した。