学問の神さま、菅原道真の命日の2月25日に学業成就などを願う行事「天神講」で、燕市内の菓子店では全国的にも珍しく道真や縁起物をかたどった天神講に供える和菓子を作っている。その菓子作りが本格化するのを前に25日、燕市・戸隠神社(星野和彦宮司)でことしも天神講祈願祭が行われた。
戸隠神社の星野宮司が代表を務める燕市内の菓子店有志などでつくる「越後燕の伝統を守り伝える会」の主催で2年前から毎年、天神講祈願祭行っている。明治ころの創建と思われる境内で道真を祭神とする天満宮前で渡辺太蔵禰宜が神事を行った。
市内の燕、吉田、分水の各地区から7店舗の8人が参拝し、それぞれが持参した道真やタイをかたどった天神講の菓子を作るための木型も持参し、神前に供えてその清め神事もあわせて行った。
市内の燕、吉田、分水の3地区すべてから、天神講の菓子を作る店舗の8人が参列。それぞれ道真や縁起物をかどった菓子の木型を持参して神前に供えて神事を行い、雪に覆われた境内で時々、雪が舞う厳しい寒さのなかで玉ぐしをささげ、祈願した。
星野宮司は「子や孫に伝えるためにも、燕に春を,、迎え入れる天神講菓子を売れる、売れないではなく、伝統文化として作り続けてほしい」と願った。
鈴木力燕市長は、2010年に市長に就任して以来、天神子の菓子のPRに務めてきた。道真が描かれた軸を下げ、菓子を供えて学業成就などを願う天神講の風習が年々、廃れていることから、あらためて市民に天神講を周知し、天神講の菓子を作る店にも呼びかけた。
戸隠神社にいちばん近い菓子店、飴屋本舗の店主遠藤重治さん(60)は、「ちくちく売れ行きが伸びて減ることはない。お客さんがお客さんを呼んで増えてきた」と喜ぶ。菓子店をはじめ民間レベルでも協力し、「行政におんぶに抱っこじゃこうはならなかった」と言い、「去年にも増して売れ行きも上積みできるように」と期待している。