今年度末の閉校まであとは閉校式典を残すだけとなった三条市立三条小学校の歴史と伝統を未来に受け継ぐため、最後になんらかの足跡を残したいと11日午前10時半から三条小で山鳩コンサートが開かれる。
コンサートは、三条小学区にある八幡宮の春祭りで行われる三条大名行列に登場する奴(やっこ)の練り歩きで始まる。コーラスグループの紫苑コーラスとレインボーコーラス、三条小135周年記念式典を機に発足した和太鼓集団の三小相承会、篠笛同好会のシノーン会、尺八奏者の藤崎重康八幡宮宮司、三条市吹奏楽団が出演する。
ほかにもみんなで三条小の応援歌と校歌の合唱、映像クイズなどもあり、午後0時15分に終わる。開場は午前10時からで、午後1時半まで校舎内見学開放を行う。限定グッズとして三条小の校章にもあるシンボル「山鳩(やまばと)」をデザインしたまんじゅう、おこわ、缶バッジ、四季の三条小を撮影したポストカードの販売も行う。
主催するのは三条小OB有志で、言い出しっぺはOBの会社社長中條耕太郎さん(46)。知り会いや仲のいいOBに声をかけて企画した。「歴史ある三小の終わりがこれでいいのかと。三条市民、卒業生の三小の伝統、歴史を残したいと思った」と中條さんは熱く語る。
中條さんは、三条小が裏館小に統合されるのはしようがないと思っている。しかし三条小は市内で最も古い小学校で144年の歴史があり、三条小のある場所にはかつて三条城があり、三条町、三条村の中心であったからこそ、その地に三条小を構えたと言う。
「三条の出発点であり、原点を皆さんと見詰め直したい。その歴史が建物とともに消え去っては、なんのための三条か。市民が考え直すきっかけになれば」と力説する。
昔を懐かしむだけではなく、「これからの三条の在り方を考え、新しい三条をつくっていくためにも温故知新をやらなければいけない。単なる田舎町に成り下がってはならない。この歴史を忘れてしまっては三条のものづくりも語れなくなってしまう」とし、「三条がばらばらになってしまうのでは」とも心配する。
もう一度、三条小や三条の歴史、伝統を見詰め直してもらうためにも大勢の来場を呼びかけている。