三条市は20日、平成29年度一般会計当初予算概要説明会を開き、一般会計では、大崎中学校区小中一体校建設事業など投資的経費増を主な要因とする前年度比4.4%、20億3,300万円増の481億2,500万円の予算を示した。
国定勇人市長は、当初予算のポイントを「魅力ある持続可能なまちづくり予算」と表現。継続中か今後、予想される主な事業として、大崎中学校区小中一体校建設事業、旭・裏館統合保育所建設事業、スポーツ・文化・交流施設建設事業、図書館等複合施設建設事業、実学系ものづくり大学の設置、看護系高等教育機関の誘致と大事業が目白押しだが、確実に実行していくために確保してきたとする財政調整基の計画的な活用を示し、「長期ビジョンを踏まえたうえで、平成29年度行うべきことを予算化」したと説明した。
国民健康保険事業特別会計など6つの特別会計を加えた予算総額は733億6,170万円で、前年度比2.9%増。一般会計481億2,500万円のうち、投資的経費は前年比26.8%増の71億8,792.6万円。財政調整基金の取り崩しは、前年比109.6%増の23億8,548.1万円、地方債の発行は30%増の78億17.5万円。
一般会計の歳入は、市税が前年比0.9%増の128億5,639.9万円。法人市民税の減などがあるものの、個人市民税や固定資産税の増などを見込んだ。
歳出は経常的経費など歳出予算を抑制しつつ、国の財政支援を有効に活用し、大崎中学校区小中一体校建設事業や旭・裏館統合保育所建設事業などの教育・子育て環境の整備、海外販路の拡大によるも音読利産業の振興、社会資本に係る包括的維持管理事業や緊急内水対策事業などの社会インフラの維持・整備などに重点的に予算配分した。
重点政策は、前年度と同じく「このまちの基礎体力を向上させる」、「人を去らせず、来る人を追い求め、歓迎する」、「人口減少社会、少子高齢化社会と共存する道を歩む」を3つの処方箋として展開する。
重点政策のなかには、2018年4月に県内初の義務教育学校としての開校を目指して建設中の「大崎中学校区小中一体校建設事業」(31億3,872.1万円)、三条小学校跡地を活用した図書館、鍛冶ミュージアム、理科教育センター機能を有する複合施設の整備及び周辺施設との連携活用につてい検討を行う「図書館等複合施設建設事業」(1億2,950.1万円)、商工業活性化事業(7,985.9万円)、オリンピック・パラリンピック活用地域活性化首長連合事業(8,787.6万円)、農業担い手確保育成事業(8,074.4万円)など。
新規事業では、栄地域の工業流通団地の造成とあわせて新たな住宅団地の造成を行う「住宅団地の整備」(4億782.2万円)、東三条駅前に多目的な交流スペースを併設する駐車場と駐輪場を整備する「東三条駅周辺の整備」(2,741.4万円)、下田地域の新規診療所開設に向けた人材紹介会社に医師紹介業務を委託する「医療体制確保対策事業」(240万円)。
10月に開かれる「燕三条 工場の祭典」に関係した「燕三条 工場の祭典連携イベント開催事業」(700万円)、通年で工場の祭典を伝えていけるような仕組みをもつ「燕三条 工場の祭典拠点整備事業」(800万円)なども盛り込んだ。