“天神(てんじん)”とも呼ばれる学問の神さま、菅原道真の命日の2月25日、各地で学業成就などを願う行事「天神講」が行われる。全国的にも珍しい天神講に供える菓子が作られている燕市では、市内19の公立保育園・こども園すべてが天神講のつどいを行っており、燕市小高保育園(中山美奈子園長・園児86人)では24日行った。
燕市では2010年から天神講の菓子のPRに取り組んでいる。保育施設などでの天神講行事は以前は行われていない施設もあったが、今ではすべての施設に広がり、市内の子どもたちなら誰もが知っている年中行事のひとつになった。
各施設では道真に学業成就や健やかな成長を願ってお参りし、道真の絵を描くといった内容で行っている。小高保育園では職員が知る限りでも40年以上前から天神講行事を行っている。
遊戯室に古くからある手製の道真の掛け軸と数年前に市から買ってもらった新しい道真の掛け軸の2幅を下げ、その前に道真や縁起物のタイ、マツ、道真のちなむウメの花などをかたどった粉菓子や生菓子10個ほど、さらに頭が良くなるように学習帳や鉛筆を供えた。隣りにはひな人形も並ぶ。
中山園長が道真や天神講について子どもたちに話した。童歌『通りゃんせ』の歌詞にも「天神さまの細道じゃ」 とあることを紹介。子どもたちはクラスごとに道真の掛け軸に向かい、「頭が良くなりますように」などと願いを込めて手を合わせて祈った。
掛け軸を見ながら年長児はクレヨンで道真を描き、それ以外は燕市が作る道真の塗り絵に色鉛筆で色を塗ったあと、細かくした菓子を子どもたちで分け合って食べた。