増加する物流に対応しようとスノーピーク(山井太社長・本社三条市中野原)が見附市の県営中部産業団地に建設した物流の新拠点「スノーピーク オペレーションコア HQ2」(新幸町)が1日、稼働を開始した。
PLANT-5見附店の裏手で「みつけイングリッシュガーデン」に隣接。2万0950平方メートルの敷地に建築面積8835平方メートル、延べ床面積はトラックバースとサービスヤードの床面積も含めて1万0281平方メートルの鉄骨造2階建を建設した。
1階に倉庫エリアをはじめ製造エリア、アフターサービス室、受け入れ検査室、仕分け梱包室、2階にオフィスエリア、食堂、ビジターホール、会議室などを備える。
倉庫はこれまで三条市三貫地の旧本社と外注倉庫に分散していたが、オペレーションコアにより物流量はこれまでの5倍に飛躍的に向上。さらに今の5倍まで増設できる設計で、将来の物流量の増大への対策も万全だ。
オフィスエリアは本社と同様に席を固定しないフリーアドレス。常時、本社オフィスと映像と音声で結ぶインタラクティブモニターを設置。13km余り離れた2つの空間がつながったような不思議な感覚だ。
本社では手狭だったアフターサービス室は格段に広くなった。スノーピークの定番アイテム「焚火(たきび)台」を製造する製造エリアは、本社からプレス機械の引っ越しなど完了していない。完了後、3月中には工場見学を開始する。
食堂は自社のテーブルとチェアが並び、食事の提供はないが、調理器具を備える。ベランダの外はイングリッシュガーデンが借景に。また、障がい者就労支援のための事業所「スノーピークウェル」も併設し、検品作業や部品作り、レーザーマーカーの処理などを行う。
同社では、売り上げの拡大に伴う物流増大と商品配送の迅速化を図ろうと、5年前から物流センター建設の構想があり、2年前からプロジェクトを進めた。あわせて本社から管理部門、営業部門、製造室、アフターサービス室も移動し、本社には開発部門が残る。本社の空いたスペースにはほかの用途への活用を検討している。
初日1日は渡辺美栄子専務から佐川急便越後吉田営業所の社員に初荷を手渡した。渡辺専務は「本社には社長室と開発、未来をつくる部分は残る」とし、「本社と両方を見て、今までよりさらにスノーピークを理解していただきたい」と語る。