長岡市栃尾美術館は4日から4月9日まで「館所蔵品展〜春の展示〜ふるさとゆかりの作家たち」を開いている。展示作品は所蔵作品のごく一部、13人の作家の合わせて45点で、絵画、書道、染色、陶芸などが並んでいる。
注目を集めているのは、戦前はグラフィックデザイナー、戦後は童画作家として活躍した風間四郎氏(1902--92)がデザインしたポスター4点で、うち3点は新宿伊勢丹のポスター。最も古い1933年(昭和8)のポスターは「新築竣成 奉仕の開店」と開店時のもので、ほかは35年(昭和10)と、「全館完成」とある57年(昭和33)のポスターだ。
いずれも新宿伊勢丹を背景に女性を描いたデザインで、女性の描き方や女性の服装に時代が色濃く投影されていて興味深く鑑賞できる。また、新宿伊勢丹は37年に外壁を取り壊して今の様式となったようだが、古い2点のポスターはそれ以前の古い外壁が描かれている。
ほかにも栃尾出身では、洋画家富川順一氏(1907-95)、詩人の堀口大學や会津八一とも交流のあった陶芸家齋藤三郎氏(1913-81)、書家の羽賀小町氏(1934-)、加茂市出身で京都で三輪晁勢の指導を受けたのち栃尾に移住した千城狐巳任氏(1921-2006)などの作家の作品がある。
午前9時から午後5時まで開館、月曜休館。ただし祝日の20日(月・祝)は開館し、21日(火)は休館する。観覧料は一般200円、大高生150円、中小生100円。