東日本大震災から6年を迎えた11日、三条市と「さんじょう∞ふくしま『結』の会」は、東日本大震災六周年追悼式典を行い、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうして犠牲者の冥福を祈り、被災地の復興を願った。
震災発生直後に避難者を受入れた三条市は毎年、追悼式典を行っている。ことしも三条市総合福祉センターの1階ロビーに献花台を設け、国定勇人市長をはじめ、福島から三条市に避難している人、三条市民など合わせて150人近くが参列した。
地震発生時刻の午後2時46分に、被災地の方角に向かって全員で黙とうをささげて開式。避難者代表と三条市長が追悼の言葉を述べ、献花した。
避難者を代表して震災当時、中学生だった新潟工科専門学校建築大工課2年の林雄さん(20)=南相馬市=が追悼の言葉。林さんは三条市に避難してたくさんの人と出会い、さまざまな経験をしたと感謝の言葉から始めた。
大工技術の習得と国家資格を取得するために専門学校で学んでおり、「そこで学んだ技術を生かし、震災にも耐える家を作り、多くの人の役に立てたらいいなと思っています」と決意を話した。
20歳になり、20日の三条市成人式に参加する。「そこで中学や高校の同級生に会えるのがとても楽しみ」で、「このような感謝の気持ちをもてたことも、友人と出会えたことも、あの震災があったからだと思います。この経験を大切にしていこうと思います」。
「これから先も何が起こるか誰にもわかりません。同じようなことが起きるかもしれません。そのときは、また家族一丸となって助け合っていけば、怖いものなどないと思っています」と、参列者も励ますような前向きな言葉で伝えた。
国定市長は追悼の言葉で、東日本大震災から6年たち、震災で失われた多くの尊い命にあらためて心から哀悼の意を表し、避難を余儀なくされている人々を見舞った。
今も三条市には48世帯の108人が避難しているが、地元での生活をスタートした人も、これから三条市で一歩を踏み出そうとしている人も、「すべての方々が生活再建に対し、一定のめどがつくまで全力で応援してまいることをあらためてお誓いする」と述べた。
献花では、青空が見える東側の献花台に、参列者が一人ずつ白いキクの花を手向け、手を合わせた。