全編新潟県ロケの映画「ミッドナイト・バス」の撮影が三条市でも行われたことから監督・プロデューサー、竹下昌男さんが13日、国定勇人市長を表敬訪問し、撮影秘話などを話した。
竹下監督は姫田伸也プロデューサーと2人で市役所を訪れ、国定市長に三条市での撮影のよすうすなどを話した。撮影地は新潟市、三条市、佐渡市、弥彦村が中心で、お笑いタレントの原田泰造さんが演じる主人公の「利一」は三条市に住むバスの運転手という設定だ。
バスのターミナルや営業所のシーンは新潟市で撮影し、利一の家族の話は三条市で撮影。市内の駅や割と大事なシーンで三条市森町のハクチョウの飛来地、五十嵐川の「白鳥の郷公苑」も作品に登場する。
白鳥の郷公苑は、湖ではなく流水にハクチョウが飛来する珍しい場所。ここでの撮影は、自然のなかにいるハクチョウを撮る重要な風景だが、最初に撮影に行った時はハクチョウが撮影に驚いていなくなってしまった。戻ってくるまで何日もかかった。ハクチョウがいないのでは場面自体が成立せず、合成やCGも考えざえる得なくなったというアクシデントもあった。
ハクチョウがいなくなるときは予兆があり、1羽が流れ出すとみんな流れ出し、助走をつけて飛び立ってしまうと言い、国定市長は「さすがに生態まで分かるようになったのですね」と和やかだった。
国定市長もファンという主人公の恋人役、小西真奈美さんは晴れ女という話題になった。前に撮りこぼしがあり、ハクチョウが120羽くらい戻ってきた日に撮影することにしたら、あいにくの雪。これでは前に撮ったシーンとつながらなくなってしまうが、小西さんが現場に入ったらピタッと雪はやみ、撮影が終わるとまた降り始めたという。
国定市長は、「ぼくはそれと同じくらい雨を降らせる自信がある」と、雨が必要なときは呼んでくださいとアピールした。三条市内での撮影は、3月1日から行われており、大浦小学校児童もエキストラで参加した。