三条市は27日、燕三条地場産業振興センター・リサーチコアで「自社と向き合う!事業承継セミナー」を開き、三条市内の中小企業経営者を中心に70人近くが参加した。
佐渡市・「真野鶴」五代目蔵元尾畑酒造株式会社専務取締役の尾畑留美子氏が「酒業界から考える事業承継」、東京都港区・事業承継センター株式会社代表取締役の内藤博氏が「事業承継をあきらめる前にもう一度向き合おう 後継者/会社/自分のこと」をテーマにそれぞれ講演した。
渡辺一美三条市商工課長は冒頭のあいさつで、少子高齢化の急速な進展に加え、地方では大都市への流出が人口減少に拍車をかけるなか、労働力の不足、後継者の不足、技術の承継が困難になっていることが懸念されているとした。
帝国データバンクによると県内の社長の平均年齢が60.1歳、県内の企業の6割が後継者がなく、休業、廃業、解散の割合は新潟県が全国一と伝えられ、「これから三条市がものづくりのまちであり続けることが大事で、このためにはやはり地域の技術をスムーズに後継者に継承していく、あるいは経営資源、経営ノウハウといったものをスムーズに継承していくことが必要になってくる」と述べ、この日のセミナーが自社に向かい合う第一歩となることを願った。