三条市は31日午前9時から市役所で平成28年度退職者辞令交付式を行い、同日付で退職の定年退職35人と普通退職や割愛などを含む計43人に辞令を交付した。
国定勇人市長が一人ひとりの辞令書を読み上げ、「長い間、大変お世話になりました」と言葉を添えて手渡した。辞令書を受け取った退職者は、おじぎをしてから振り返り、出席した職員に向かい「長い間、ありがとうございました」、「この日を迎えられたのは皆さんのおかげです」と感謝の気持ちを伝えた。
国定市長はあいさつで、万感胸に迫るものがあると述べ、「いい人生の先輩、職場としてはいい仲間に支えられながら仕事をすることができたんだなとしみじみと、心の底から感じております」と話し、これから先の長い人生での輝かしい前途と新しい門出を祝った。
退職者を代表して、渡部一治福祉保健部長が謝辞を述べた。この日で公務員人生を終えるが、この日が自分のゴールだとは思っていない。家族のため、地域のため、社会のため、なによりも自分自身のために、自分を出し切ったところがゴールであり、きょうはその途中と言い、これまでの多くの支えに感謝するとともに、これからもその温かい思いを心の糧に前を見て歩んでいきたいと、三条市の発展を願った。
また、「市長さんからは、いろいろな人と出会い、たくさんの本を読み、そうした経験を通して自分を高めていくことこそが、公務員としての最大の使命である。市民の幸せの方向を見定めていく大きな力になると教えていただきました」と述べ、生涯においての貴重な経験となったと感謝した。
最後に、後輩の皆さんにとして、「これからの市政は、純粋な地域の声をしっかりとくみ取り、行政としてさまざまな主体とタイアップして市民の、地域の自立をいかに支援し続けていけるか、その塩梅が極めて重要になってくると思っている」、「その塩梅は、広く情報収集し、咀嚼(そしゃく)し、議論し、身の丈に合った加減を見定めていかなくてはなりません」、「その加減の調整、イコール判断は皆さんの見識がどれだけのものなのか、どれだけ自分を高めたものなのか、素直に問われる社会情勢に入ってきている」と話し、素晴らしい三条市を築いていくための大きな原動力になっていくことを期待した。
退職者辞令交付式は毎年、第二庁舎の会議室で開かれている。近年は退職者が60人前後の年が続き、列席する後輩職員は身動きがとれないほど満員となっていたが、団塊世代の退職から続いた大量退職も落ち着き、ことしの退職者数は昨年より20人ほど少なかった。
目頭を押さえる退職者もあり、閉式すると職員の盛大な拍手に送られて退場した。